第36回 第5話 ガラクタ山のお化け その6
フィズリーと仲良し三人組は、それぞれ男の子の手足を持ち上げて、ゼファーの居る風車小屋へと運ぼうとした。
「おもーーい」
「おもいーー」
「もてないよーー」
男の子は、12・3歳ぐらい。
5歳の幼さでは、持ち上げられない。
「うーん、どうしよう」
フィズリーは考え込む。
仲良し三人組も、フィズリーの真似をして考え込む。
「そうだ、3人の中で一番家が近い子はだあれ」
「ツーシャ!」×3
三人組は服屋のジャンパの娘で5歳になるツーシャを指差した。
「そっか、じゃあ、お家に戻ってジャンパのおじちゃん、連れて来て」
「なんで?」
「私たちじゃ、運ぶの無理よ。大人の人に運んでもらうの」
ツーシャは男の子をじーっと見つめ、
「わかった」
と言ううなり、自宅へ走る。
「ミイも!」
「アプルも!」
羊飼いのメイの娘で、5歳になるミイ。
果物屋のツールフの娘で、同じく5歳になるアプル。
二人もツーシャの後を追った。
「大丈夫かな?」
「…………」
フィズリーは三人の後姿を見送り、男の子の方へ視線を変えた。
「あなたは、だあれ?」
「ガラクタ山の幽霊?」
「なんで、お山の天辺にいたの?」
「なんで、裸なの?」
「フィズのお友達?」
ああだ、こうだ、色んな疑問をぶつけてみたが、男の子の反応はなかった。
「おおー、フィズリー。ガラクタ山のお化けって、その子か?」
服屋のジャンパが、たまたま服を買いに来ていた大工のトンカと共にやって来た。
仲良し三人組は、後ろのほうから必死でこちらに駆けてくる。
「ガラクタ山の頂上にいたってのは本当か?」
「うん」
「なんで、あんなところに」
ジャンパとトンカは、ガラクタ山の頂上を見上げて不思議がる。
「それにしても、これだけガラクタ山に近づいてんのに、竜巻が起きねえ」
確かにフィズリーがこの男の子と出会って以来、竜巻は起きていない。
「それより、この子を運ぶぞ」
大工のトンカが服屋のジャンパに言う。
「おう」
「おじいちゃんのところに運んで」
フィズリーは二人に頼んだ。
「ああ、そのつもりだ」
イザークの村には医者は居ない。
病気や怪我をした場合、ゼファーを頼みにすることが多い。
農家のノーグの息子、ツーチに薬草を作らせており、それを煎じて薬なるものを作っていた。
ジャンパとトンカはフィズリーに問う。
「どうやって、この子を見つけたんだい」
フィズリーは事情を話して聞かせた。
「なんだって、この子の体から光の玉が出てたって」
ジャンパとトンカはびっくり仰天して、立ち止まってしまった。
「おじいちゃんに見せれば、何か分かるかも。だから早くして」
ジャンパとトンカは恐る恐る男の子を見るも、今はただ運ぶしかない。
するとそこへ、
「おばけだよ、おばけ!」
「おばけ、おばけー」
仲良し三人組が追いついた。
話が複雑になりそうに感じたフィズリーは、早く運んでくれるよう二人に頼む。
だが、ジャンパとトンカの疑問はフィズリーにとぶ。
「なんで、あんな所に居たんだ」
「なんで裸なんだ?」
「なんで、生きてるんだ?」
「どこから来たんだ?」
仲良し三人組と、同じような質問をされた。
「フィズに聞かれても、わかんないよー!」
「おもーーい」
「おもいーー」
「もてないよーー」
男の子は、12・3歳ぐらい。
5歳の幼さでは、持ち上げられない。
「うーん、どうしよう」
フィズリーは考え込む。
仲良し三人組も、フィズリーの真似をして考え込む。
「そうだ、3人の中で一番家が近い子はだあれ」
「ツーシャ!」×3
三人組は服屋のジャンパの娘で5歳になるツーシャを指差した。
「そっか、じゃあ、お家に戻ってジャンパのおじちゃん、連れて来て」
「なんで?」
「私たちじゃ、運ぶの無理よ。大人の人に運んでもらうの」
ツーシャは男の子をじーっと見つめ、
「わかった」
と言ううなり、自宅へ走る。
「ミイも!」
「アプルも!」
羊飼いのメイの娘で、5歳になるミイ。
果物屋のツールフの娘で、同じく5歳になるアプル。
二人もツーシャの後を追った。
「大丈夫かな?」
「…………」
フィズリーは三人の後姿を見送り、男の子の方へ視線を変えた。
「あなたは、だあれ?」
「ガラクタ山の幽霊?」
「なんで、お山の天辺にいたの?」
「なんで、裸なの?」
「フィズのお友達?」
ああだ、こうだ、色んな疑問をぶつけてみたが、男の子の反応はなかった。
「おおー、フィズリー。ガラクタ山のお化けって、その子か?」
服屋のジャンパが、たまたま服を買いに来ていた大工のトンカと共にやって来た。
仲良し三人組は、後ろのほうから必死でこちらに駆けてくる。
「ガラクタ山の頂上にいたってのは本当か?」
「うん」
「なんで、あんなところに」
ジャンパとトンカは、ガラクタ山の頂上を見上げて不思議がる。
「それにしても、これだけガラクタ山に近づいてんのに、竜巻が起きねえ」
確かにフィズリーがこの男の子と出会って以来、竜巻は起きていない。
「それより、この子を運ぶぞ」
大工のトンカが服屋のジャンパに言う。
「おう」
「おじいちゃんのところに運んで」
フィズリーは二人に頼んだ。
「ああ、そのつもりだ」
イザークの村には医者は居ない。
病気や怪我をした場合、ゼファーを頼みにすることが多い。
農家のノーグの息子、ツーチに薬草を作らせており、それを煎じて薬なるものを作っていた。
ジャンパとトンカはフィズリーに問う。
「どうやって、この子を見つけたんだい」
フィズリーは事情を話して聞かせた。
「なんだって、この子の体から光の玉が出てたって」
ジャンパとトンカはびっくり仰天して、立ち止まってしまった。
「おじいちゃんに見せれば、何か分かるかも。だから早くして」
ジャンパとトンカは恐る恐る男の子を見るも、今はただ運ぶしかない。
するとそこへ、
「おばけだよ、おばけ!」
「おばけ、おばけー」
仲良し三人組が追いついた。
話が複雑になりそうに感じたフィズリーは、早く運んでくれるよう二人に頼む。
だが、ジャンパとトンカの疑問はフィズリーにとぶ。
「なんで、あんな所に居たんだ」
「なんで裸なんだ?」
「なんで、生きてるんだ?」
「どこから来たんだ?」
仲良し三人組と、同じような質問をされた。
「フィズに聞かれても、わかんないよー!」
ブログランキングに参加しております。
全部、押していただけると、からくりオムは大感激です。
創作意欲が、バチバチバチッと燃え上がります。
よろしく、お願いいたします。
スポンサーサイト
Comment
Re: タイトルなし
返事が送れて申し訳ありません。
小さい子供って、表現するのが難しいです。
五歳の設定なんですが、この年だと、はっきりした事を言いますからね。
とりあえず、直感的な言葉で表現するようにしてるんですが。
どうかな。
小さい子供って、表現するのが難しいです。
五歳の設定なんですが、この年だと、はっきりした事を言いますからね。
とりあえず、直感的な言葉で表現するようにしてるんですが。
どうかな。
確かに。
聞かれてもわからないことが多いからこそ生きている。。。って感じが子どもらしさが伝わっていい感じな文章になってますね。私じゃ・・こういう文章は書けないですからね。羨ましいです。
聞かれてもわからないことが多いからこそ生きている。。。って感じが子どもらしさが伝わっていい感じな文章になってますね。私じゃ・・こういう文章は書けないですからね。羨ましいです。
Trackback
Trackback URL
このエントリーの固定リンク
Comment Form
今日のわんこ
powered by 撮影スタジオ.jp
プロフィール
Author:からくりオム
めざせ!いきもの大図鑑
Yahoo!ブログで、
動物図鑑やってます。
画像クリックで、覗いて見て下さい。
ブログランキング参加中
クリックして頂けると、操作意欲が燃え上がります。
ご訪問された際は、ぜひクリックしてやってくださいませ。
最新記事
最新コメント
ご訪問者様
Yahoo!ショッピング
◆2950円以上で送料無料!
◆歯の弱った猫や高齢猫も食べやすい!
Yahoo!ショッピング
今までの避難リュックセットHRS15に保存水と災害備蓄用パンが追加になった、災害時に役立つ避難グッズです。
MicroAd
RSSリンクの表示
あし@
QRコード
携帯でも、お楽しみください。
メニューバナー
ブログ紹介
☆わんちゃん 犬里親募集ブログ!
このブログは、
犬の里親になりたい人の為のブログです。
犬の迷子捜しもしています。
犬のお役立ち情報なんかも
あわせて紹介していきます。
カテゴリ
フリーエリア
おすすめサイト(バナー有)
おすすめサイト
- めざせ!いきもの大図鑑
- お母さんの本音
- 優芽の樹
- 黄輪雑貨本店 新館
- ゆない。の小説、ときどきワキオ
- 草を食む時間 ~The Gazing Time~
- maidyのホームページ
- 幸そら
- 月影の光
- 終始徒労な俺達
- Stories of fate
- カミツレが咲く街で
- Laugh it Off (Edu-One算数パズル教室都島駅前本部校)
- 駄文カフェ。
- LandM創作所
- がっちの言葉戯び
- 代わり映えのない画像
- CGギャラリー☆秘密基地
- TR.ECO SPEC PLUS トータルリペア エコ スペック プラス
- 希望を奏でる歌のように
- Maru's stories
- 傍観者日記
- 百鬼夜行に遅刻しました
- グランベル魔法街のきまぐれ連絡板
- 観光!名所!旅!旅行!~人生楽しく一度きり日記~
- ブログ 「バーソは自由に」
- 〔PSP〕 とりあえず購入 〔PS3〕
- 世間のあれこれ
- ショッカー倶楽部!
- 五黄(ごおう)猫国往来記
- 小説ブログ「DOOR」
- 三流自作小説劇場
- 幻想少女魔宮
- ブログ小説 のっぺらぼう むね
- 屋根裏夜警団
- 竜の眼
- 万創作重屋
- ヒトカラのすすめ
- CANDY BOX
- 文学していたゆっきー
- 中村豆百貨
- 某局員のグダグダ日記
- M's Heartful Channel
- 魔女猫のふみゃ~にゃん日々
- みやびのお仕事ブログです
- 天鵞絨の小部屋。
- 白黒文鳥日記
- VGB-カードファイトヴァンガードブログ-(自己満足)
- 無類の動物好き
- 20匹にゃんこ ~わたしたちのおうちはどこですか?~
- 管理画面
ブロとも申請フォーム
ブロともの皆さん
Stories of fate
ひーちゃんの日記【パズドラ】【アニメ】【日常】
CANDY BOX
クリスタルの断章
大阪が好き!日本が好き!大阪の事はお任せ!
午睡の夢商店 -ライトノベルはじめました-
未来への扉を開け その先の・・・
世間のあれこれ
一言小言 ~どう思おうと好き勝手~
まぁ、めずらしく、ぞうきんがけしたら、うまくなってた
ChaoS
兎の読書週間
真冬の月
万創作重屋
つれづれ☆ファンタジー。
ツトムログ
優芽の樹
最新トラックバック