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第13回 第2章 森の盗賊 その5

少年とジョグは、いや、オナラをしたグラモンでさえ、匂いで目の前がぐるぐると回っている。

体もうまく動かせない。グラモンを取り押さえるのが限界だ。



-ギシ ギシ ギシ- -ゲシ ゲシ ゲシ- -グシ グシ グシ-


周りから鳴き声がする。


-ザシ ザシ ザシ- -グゥア グゥア グゥア- -ジヒャ ジヒャ ジヒャ-


その鳴き声は数を増す。


次第に視界がはっきりしてきた少年は、辺りを見回す。

と、そこにはたくさんのグラモンたちがいた。

気の枝の上にも何匹かいる。

総勢、30匹はいる。

少年とジョグはグラモンの集団に取り囲まれてしまった。



グラモンのオナラの匂いは、相手への攻撃だけでなく、仲間を集めるための防御の側面も兼ね備えていた。


「うっわっ、なんだこりゃ」

周りはグラモンだらけ。なんとも奇妙な光景だ。

いくら弱いグラモンとはいえ、これだけの集団ともなると倒すのは難しい。

視界を取り戻したと言え、まだ体はうまく動かせない。

それでも、背に抱えていた柳刃包丁をやっとの事で抜き、構えを取った。

カギ爪を取られているジョグは、自身の牙で立ち向かうしかない。

戦闘体勢を取った少年とジョグ。

しかしその姿は、滑稽に見えた。

パンツ一丁で柳刃包丁を構えているのだから。

それに少年とジョグは、上半身をグラグラさせながらよろけている。

お酒を飲んで千鳥足になった姿を浮かべて欲しい。


-キシ キシ キシ- -キシ キシ キシ- -キシ キシ キシ-


グラモン達は笑っている。

少年は柳刃包丁を振り上げ、ジョグと一緒にグラモンたちに向かっていった。

それを見たグラモン達は木の実を投げつけた。

四方から木の実が飛んでくる。

「痛て、こ、こら、やめろ!!」

わがままな台詞だが、こう言うしかなかった。

少年は次々と、グラモンたちに柳刃包丁を振るった。

だが、少年の柳刃包丁はアルマジロンとの戦いで刃こぼれをしている。

斬るというより殴りつけていた。

それでも、何匹か倒す。

ジョグも奮闘していた。

木の枝にいるグラモンたちを攻撃し、地上に落としていた。


かなり、体の動きも元に戻ってきた。視界も好調だ。

少年は、荷物を盗んだグラモンを探す。

そのグラモンたちは、遠くにいた。

舌を出して、アッカンベー。

さらには、お尻ぺんぺん。

「くぉおらー!!!!」

頭に来た少年は、剣を振り上げながら向かう。


「ジョグ、そいつらに構うな!!行くぞ!!!」

全員を相手にしてられない。

木の実を投げつけられながらも、近寄ってくるグラモンを次々に打ち倒していく。

荷物を盗んだグラモン達は、驚きの表情でさらに森の奥へと逃げて行った。


もうすっかり、体の状態は復活している。

少年とジョグは全速力でグラモンたちをを追う。
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第12回 第2章 森の盗賊 その4

「くぉら!!!まてぃ!!」

少年は急いで水から飛び出すと、取りあえず、よろけながらもパンツをはいた。

辺りを見回したが、荷物はすべて持ち去られている。

服やマントさえも、もちろん空筒砲も。

残されていたものは、パンツと背負っていた柳刃包丁。

それとヒーローの証である、白いスカーフ。

それを首に巻くと、少年は猛烈にグラモンたちを追いかけた。


グラモンは決して強いモンスターではない。

と言うより、水に近づけるほど弱いモンスターである。


ではなぜ、この森で生きていけるのか。

グラモンは、森に迷い込んだ人間や動物たちをからかい、森の奥深くに誘い込む。

それを森の強いモンスターたちが捕食する。


要するに、他のモンスターに餌を運ぶ役目だ。

グラモンにとって、それは自分たちの身を守り、この森で生きていく為の知恵である。



ザバッ

ようやく事態に気付いたジョグ。

池から上がった体は、赤から元の白い体に戻っている。

が、頭の鶏冠(とさか)状の毛は、赤いまま。

これは、地毛である。

ジョグは少年の後を追った。


森の中はコケのおかげで裸足でも走れる。

が、滑りやすい。

「うわわわわわーーー」

言ったそばからこれだ。

やはり少年は足を滑らせた。

バターーーーン

少年の体は1回転したあげく、うつ伏せに倒れた。

「ぬほほぉぉぉーーー、痛てーー!!」

腹を思いっきり打ち付けた。

それでも、うつ伏せのまま上半身を上げる。


「キャイーーーン」

後ろではジョグも足を滑らせた。

あげくに足がもつれて、地面に座っているかのような尻もち状態になった。

そのまま、コケの上を少年に向かって滑ってくる。

そして、少年の足元で宙に飛んだ。


ゴツーーン★★☆☆☆****


ジョグと少年の頭が激突した。

目の前に星が回っているかのような強い衝撃。

「むうぉおおおおおお!!!!!!」

それぞれ激突部分を押さえ転がり回る。

それでも、痛みを我慢しながらも立ち上がり、また追い始める。


グラモンの走る速度は遅い。

足が短いからだ。

見た目はヒョコヒョコ走っていて、可愛い。

だが、モンスターである。


少年とジョグは、すぐに追いつく事が出来た。

しかし捕まえようとすると、ヒョイと避ける。

また捕まえようとすると、ヒョイと避ける。

動き方が奇妙で捕らえづらい。

捕まえたと思ったら、にんまりとしたグラモンが、少年の顔面にパンチを食らわす。

「こんの、くそ猿!!!」

力は弱いと言え、正面からパンチを食らったら、そりゃ痛い。

殴られた顔は真っ赤になり、鼻血がタラリ。

さらに怒りを感じた少年は、グラモンを捕まえようと飛び掛る。

するとグラモンは、少年に背を向けて腰を落とし、ぐっと力んだ格好を取った。



ブウ~~~~~~ゥ~~~~~~~ゥ~~~~~~~。プッ!




でっかいオナラををした。


おまけに、もう一発。

プッ!


それも少年の顔の前で。

「うっ、ぶっ、うぅ………………」

臭くて倒れそうになる。

死線をさまような臭さである。


そ、それでも少年はグラモンを捕らえることが出来た。
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第11回 第2章 森の盗賊 その3

ジョグは池を泳ぎまわる。

赤い血に染まっていた体毛も、徐々に白へと戻る。


少年はヒーローの証である白いスカーフを、丹念に洗う。


森の水は不思議な作用を持つ。

多少の毒物なら、洗い流すことができる。

なぜなのか、今の世界の技術レベルでは調べようがない。


荒野に入ってから一度も風呂に入っていなかった少年は、パンツを脱ぎタオル代わりとして体を洗い始める。

ダンディーな男は、身だしなみが大事。

だけど、パンツで洗うこともなかろうに。


ガサガサッ


ゴソゴソッ


荷物を置いた付近から物音がする。


- 何かいる -


少年はそう感じた。

ジョグは悠々と泳ぎ回っていて気づかない。


シッ シッ シッ シッ


笑っているかのような声が聞こえる。


ヒャッ ヒャッ ヒャッ ヒャッ


- やはり -


声は1つではない。複数だ。

少年は、そおーっと覗き込む。

その時!!

ジョグは犬かきで大忙し。

楽しいのか。

いや、へらへら笑っているかのようにも見える。

この際ジョグは、ほっとこう。


少年が目を向けた先には、

「何だ、子供か」

男の子達が、荷物の付近で遊んでるのだろう。

少年は安心して、ジョグと一緒に泳ぎまわった。



「何!!!?こどもぉーーーーーう????」


そうだ!!モンスターがいるこの森に、子供がいるはずはない。

少年は、凝視した。

少年の叫びに、その集団は驚く。

少年とその集団の目線が合った。

「げげげっっっ」

そこにいたのは、小さい人型のモンスター。

グラスモンキー、通称グラモンである。 


グラモン 00 

グラモンはめがね猿の体質変化体であるが、その容姿も正確も変貌している。

体は全体的にふっくらしていて幼児体型、身長は100センチ程。

目がまん丸で大きい。

体は服を着ているような感じであるが、これは体毛である。
体毛の色は、個々に違う。

ぱっと見、子供の姿に見えるが可愛くない。


まずいという表情を浮かべるグラモンたち。

グラモンは元が猿だけにその表情は人間に近いが、大げさである。


少年とジョグの荷物を抱えると、スタコラサッサと逃げ出した。

第10回 第2章 森の盗賊 その2

慌しく息せき切って逃げ込んだ少年の目の前には、先に逃げ込んだジョグがいた。

少年はジョグを見据え何か言いたがったが、相当に息が荒い。

肩を大きく上下させながら、呼吸をしている。

まだ、言葉を発することが出来ない。


サンドワームは森へは入ってこない。

森の入り口で、動きを止めた。

頭を砂上に上げ、少年とジョグを睨むかのようにじっとしている。


少年とジョグは音を発しないように、じっとこらえていた。

肩を上下させるぐらい息の上がった少年は、それをグッと押さえ込む。

呼吸の音さえ危ないからだ。


サンドワームに目は無い。

当然、匂いを探しているのだろうが、森の香りが邪魔して少年とジョグの匂いを感知できない。



そのまま、ひと時が流れた。

サンドワームは頭を砂に沈めると、そのままどこかへ行ってしまった。


少年とジョグは、ようやく恐怖から解放された。

少年の呼吸は、充分に整っている。ジョグを見るなり、

「ジョグ、俺を置いて1人で逃げるな」

頭に一発ゲンコツした。

ワン!!!

ジョグは吠えつつ、少年の左腕を軽く咬む。

「だぁあー!!いてーよ!!!」

少年は痛みで飛び跳ねた。

「バカ、ここはな、ここは、い・た・い・ん・だ・ぞ~」

左腕をかばうようにして言う。


怖かったのは少年だけではない。

ジョグだって内心怖かった。

自分の身を守るために、逃げる。

それのどこが悪い、と言う感じだろう。



森の入り口

森に入るとそこは別世界。

巨大な木々が立ち並んでいる。

巨木のおかげで日差しは弱まり心地よい気温ではあるが、湿気がひどい。

土を覆い隠すが如く、コケが敷き詰められている。

このコケは、少しでも太陽の光を受けると、発光する。

光ゴケとも呼ばれるが、自ら発光することは無い。

この光ゴケのおかげで、生い茂った森の中でも充分明るい。


すぐ隣に荒野が広がっているのに、森には巨木が立ち並び、水が豊富にある。


エネルギー波の自然破壊は、大地や大気の営みさえも変化させている。



少年とジョグは水浴びをしたかった。

昨日の戦闘でアルマジロンの血を浴びている。

その上さっきまでサンドワームに襲われて、体中砂だらけである。

森に入って、水を見つけることはたやすい。

巨木の下か、あるいはコケの光が強い所と相場は決まってる。

モンスターのいる森なのに不思議と水は清らかである。

強いモンスター程、水辺には近づかない。

なぜだろうか、少年とジョグには分からない。

きれいな水がそこにある。

それだけで良かった。

少年は、巨木の下でコケの光が強いところを探した。


森の池


水は案外簡単に見つけることが出来た。

くぼ地に水が流れ込み、池をなしている。

水は透明度が高く、池の底までのぞき見ることが出来る。

「よしジョグ、GOoo!」

ジャパ~~~~ァン!!

少年の合図ですぐさま飛び込むジョグ。

自らも服を脱ぎパンツ一丁になる。

もしものことを考えて、背には剣を抱え手にはスカーフを持ち、水に飛び込んだ。

「GOoo!」

ジャパ~~~~ァン!!

第9回 第2章 森の盗賊 その1

太陽が地平線から顔を覗かせていたころ、少年は目を覚ました。

今日も良く晴れている。


森

近くには森が広がっていて、朝日を浴びた緑が朝露できらきらと光っている。

風が森の香りを運んでくる。

少年は伸びをし、朝の空気をめいっぱい吸い込むと、荷物の中からコーヒー豆を取り出した。
男の珈琲

男の朝は、一杯のコーヒーで始まる。

ダンディズムに憧れる少年に、モーニングコーヒーは欠かせない。

手頃な石で豆を砕き、沸かした湯でコーヒーを入れる。

朝日を眺めながら、小指を立ててコーヒーを味わう。

フッ

朝日に向かって、ニヒルな笑み。

ちょっと苦いが、これが大人の味だと深く思う少年であった。

ジョグはすでに目覚めている。

岩の下で周囲を確認していた。

モンスターの気配はないかと。

ジョグは毎朝、少年の行動を見つつも、何も言わない。

きっと、何も言う気がしないのだろう。

少年は荷物をまとめると、岩の上に立ち上がる。

今日もゴーグルという名の水中眼鏡を、かっこよくセットした。

「よっし、いくかっ!」

少年は荷物袋と柳刃包丁を背負い、大岩を滑空するように降りていく。

手はマントの裾をつかんで、水平に大きく広げる。

それは翼をイメージするかのように。

飛行機への憧れだろうか。

それとも、少年のたわむれか。

下にたどり着く直前、ジョグの目の前で岩をけってジャンプした。

ジョグからみた少年の姿は、朝日に映し出され輝いていた。

その中で、少年はポーズをきめた。ビシッと凛々しく。

だが、ジョグはあえて何も言わない。何も言えない。

ドスーーーン!!

少年は着地のポーズをきめた。

着地の衝撃が砂に響いた。

「ジョグ、森に入るぞ」

少年は、ゴーグルという名の水中眼鏡をジョグに付けてあげ、並んで森へ向かう。

その時、後ろから1つの砂の盛り上がりが近づいてきた。

クンクン

ジョグが危険を察知する。

何か匂う。かすかに臭い。

ジョグは後ろを振り返った。

ザババババーーーーンンンン!!!!!

砂が吹き上がり、サンドワームが出現した。

吠える間もなかった。

それに気付いた少年も、後ろを振り返る。

「どゅよわわわ???……!?」

急な状況に、少年は目の前の現実を把握できなかった。

朝っぱらから何てことだ。

サンドワームは、少年が飛び降りた岩の近くで物色しているが、獲物はいない事に気付く。

ドサッ

少年はびっくりして、ひっくり返った。

そのかすかな音をサンドワームは感知し、少年に向かって来た。

少年は砂にはいつくばって、手足をバタバタしている。

「ジョジョジョジョ……ジョグ!!!!!!」

ジョグは一目散に、森に向かって逃げていた。

「こっ・こらーーーーー!!!俺を置いてくなーーーーー!!!!」

自分の叫びで、少年はようやく我に返った。

ジョグの後ろを追うように走る。

だが、その姿は滑稽であった。

腰を抜かしていたのだ。

後ろからはサンドワームが迫る。

猛烈な速さだ。

森はすぐそこだ。

サンドワームは森の中には入ってこない。

森にさえたどり着ければ。

だが、サンドワームは少年のすぐ後ろで顔を出した。

カプッ

飲み込まれそうになるもギリギリかわす少年。

ただただ、ひたすらに全力で走り続ける。

滑稽な姿のままで。


そして、ようやく森に逃げ込んだ。
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