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第20回 第3章 からくり人形 その4

機械に感情移入してしまう、ゼファーの話はまだ続く。

「そうじゃ、いっその事、名前をつけてみんか」

ふざけているように思えるが、ゼファーは大真面目である。

イザークの村で使われているからくり人形は、ゼファーが発掘・修理し、村人に無償提供している。

村人たちはノーグと同じように、からくり人形を物として扱っている。

ゼファーは、その現状を憂いている。

「名前!やめてくれよ。ガラじゃないだろう」

何を言ってるんだと言う感で、手を大きく振りながら、ゼファーから離れようとする。

「何を言っておる、名前は大事じゃぞ」

体を乗り出して言う。

「名前をつける、名前で呼ぶ、話をする、親しみがわく、愛情がわく、大事にしようと思う、まっこんな感じかな」

「愛情!そんな事思うわけないだろう」

「犬猫だって家族の一員と思うている奴もいるだろう」

「犬猫と一緒にされてもなあ、こいつはからくりだぞ、人形だぞ」

「お主だとて、植物に愛を注ぎこんどるだろうが」

「あ、あれは、みんなの食料を確保するためじゃないか」

あわてて理由をつけるかのようなノーグの発言に対し、ゼファーはからかい気味に、

「丈夫に育てよー、大きくなれよー、うまい実をつけてくれよー」

ノーグが植物に向かってささやく事を知っていたゼファーは、物まねでもするかのように言った。

「なっ…」

そうだ、ゼファーはこの勢いである事をしようと思った。

それは、からくり人形には人間との会話が出来るようシステムが組み込まれている。

その機能を回復しようというのだ。

ノーグがからくり人形と会話が出来るようになれば、考えも変わるだろうと思い。

「そうじゃ、ステファニーはどうじゃ」

こうなるともう、からかいたくなる。

「ステファニー!?」

ノーグは甲高い声で答えた。

その顔は、引きつっている。

「名前じゃよ……お・な・ま・え」

「女の名前じゃないか、こいつはどう見ても男だろう!!」

ノーグは気付いていないのだろうが、からくり人形は男だという性別の判断をした。

それを感じたゼファーは、もう一息と思い、さらにからかう。

「じゃあ、ポコペンはどうじゃ」

「ポ・コ・ペ・ン !?」

ノーグは声が裏返っている。

本来、生真面目なノーグは、ゼファーにからかわれている事に気付かない。

「そうじゃ、ポコペンじゃ」

ゼファーの白いひげがヒクヒクと動いている。

こらえきれなくなったのか、大きな声で笑い出してしまった。

「なっ、からかってんのか」

そこまで行けば、さすがにノーグも気付く。

怒り出した。

「悪い悪い、ポコペンは無しじゃ」

「だが、名前は大事じゃぞ」

「お前だって、人間なんて呼ばれたら、いい気はしないだろう」

ゼファーは、ノーグの顔を覗き込みながら言う。

「そ、そりゃあ、そうだけど。………だってこいつは、からくりだろう」

ゼファーにじっと見られながら、か細い声で答えた。

ノーグは腕組みをし、考え込んでしまった。

「まっ、今日中には連れて帰れんからな。一晩じっくり考えて来い」

そう言うと、ゼファーはノーグのからくりを修理を続けた。

無言の時間が流れていくが、いつの間にかノーグはゼファーの家を後にしていた。
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第19回 第3章 からくり人形 その3

「なあ、あとどのくらいかかるんだ」

コーヒーを入れながら叫ぶノーグ。

「うるさい!指の関節は壊れてるわ肘膝の関節は磨耗しとるわ…全メンテじゃ」

怒り口調で叫び返すゼファー。

今、そのゼファーが修理しているのは、“からくり”。

この時代、機械はすべてからくりと呼ばれている。

その中でも、現在“からくり人形”と呼ばれてる機械人形。

いわゆる、ロボットを修理している。

今現在、ロボットどころか機械そのものさえ、作られていない。

失われた技術となっていた。

しかし、このゼファーは機械類を発掘しては修理し、使えるようにしている。

「そんなにひどいのか」

ゼファーの叫びに驚き、修理台のところまで急ぎ足で来ると、
ノーグはコーヒーカップを手に持ちながら、からくり人形を覗き見た。

「あたりまえじゃ、ノーグ。お主は、こ奴を酷使しすぎじゃ」

ゼファーは白ひげをブルブル震わせて怒っている。

実際ノーグは、このからくり人形を農作業の際の単なる道具として扱っている。

畑を耕したり、力仕事をさせたりと。

だが本来、このからくり人形は、人間が生活においてのサポートとして作られていた。

しかし、その事を知っている者は、現代社会においてわずかしかいない。

「いやあ、酷使って言ってもさあ。こいつは良く動くから」

ノーグは不満そうである。

「動くからと言って、壊れるまで働かせなくても良いじゃろ」

ゼファーはノーグの方へ向きを変えて話を続ける。

「人を思うように、このからくりを思うてみよ」

ゼファーのからくりに対する思いは、他の者には伝わらない。

なぜゼファーはからくりに対して愛情を注ぎこめるのか。

なぜゼファーはからくりを修理することが出来るのか。

それは簡単なことである。

ゼファーの家は、代々技術屋の家系であった。

1000年前にはからくりを設計製造していたらしい。

世界崩壊後もその技術は受け継がれてきたが、肝心のからくりはすでになかった。

技術だけが受け継がれてきた。

だがゼファーは、からくりに接してみたかった。

もともとゼファーはこの村の者ではない。

故郷を離れ、からくりを求めて旅を続けた。

そしてようやくイザークの地で、からくりの残骸を見つけたのである。

当時はまだ家も2・3軒ほどしかなく、村とさえ呼ばれない地であった。

ゼファーはこの地に居をかまえ、からくりを発掘し始めたのである。

幼き日から、からくりを絵で見、旅して発見し、そして今、目の前にしているのだから。

そりゃあ、思い入れも強いだろう。

ちなみに、ノーグとの付き合いはその時から始まっており、かれこれ30年ほどになろうか。

「いやあ、そんな事言ったて、人形だろう」

ノーグが人形と言うのもうなづける。

人間への感情と同じに出来ないのもわかる。

姿かたちは完全にロボット。

それに、冷たい、硬い。

人間のような体の温もりはないし、顔には表情もないのだから。

第18回 第3章 からくり人形 その2

ここはイザークの村。

そう、少年とジョグが目指している村である。


ここで日本地図を思い起こして欲しい。

日本本土の南に鹿児島県がある。

薩摩半島・大隈半島が左右から角のように湾曲してのびている。

その中に錦江湾という海がある。

これをイザークの村にたとえてみよう。


イザークの村は大きな崖の下にある。

その両脇から角のように崖が湾曲してのびていて、錦江湾にあたる場所に村がある。

外的からの進入に対して、自然の要塞を構えている。


話を元に戻そう。



「フィズリー、おじいちゃんは家にいるのかい」

「うん、お人形を修理するんだって」

袋いっぱいに詰まった花の種を握り締め、一粒一粒ずつ丁寧に蒔いてくフィズリー。

「そうか、じゃあ、ちょっと行ってみるか」

ノーグは、フィズリーのおじいさんに修理の依頼を出していた。

その進捗状況を確認したかったのである。


フィズリーの自宅は、鹿児島県に例えると、ちょうど桜島の場所にある。

村中のだれもが知っている。

というのは、自宅の上にに大きい風車が回っているからである。

オランダの風車を想像して欲しい。

そんな感じだ。

その風車小屋にノーグが入っていく。

「よっ、ゼファーじいさん、俺のからくり人形は直ったかい」

先ほどまで農作業をしていたノーグである。

ノーグは農作業で土まみれになった衣服のままやってきた。

よほど修理の仕上がりが待ちどうしいらしい。

「いいや、まだじゃ」

ノーグの問いに答えた人物。

そうこの者こそ、少年とジョグが会いたがっている、イザークの村のゼファーである。

「ノーグ、いい加減じいさんと呼ぶのはやめろ。わしはまだ50じゃ」

白い髪に白いひげ、確かに見た目は70歳にでも見えるが、やはり肌はまだ若い。

じいさんと呼ばれるには、まだ早すぎる。

「いやあ、わかってるさ。でもよ、白髪に白ひげにメガネで、とどめの白衣だろう」

「やっぱりイメージするのは、マッドサイエンティスト」

「どうしても、じいさんのイメージが強いんだな」

ノーグは言葉を飾らない。

思ったことはすぐ、口に出してしまう。

「お前のイメージだけで、わしをじいさん呼ばわりするな」

散々な言われようで、ゼファーは不服そうな表情を浮かべている。

左手でこっちに来るなという感で手を振った。

「まだ、だいぶ時間がかかる。コーヒーでも飲んでおとなしく待ってろ」

ノーグと話しているとイライラする事が多い。

だが、ノーグに悪気はない。

案外素直な人間で、面倒見も良い。

たまに、農作物を差し入れしてくれることもある。

「フィズ、フィズ、ノーグにコーヒーを入れてやってくれ」

ゼファーはリビングに向かって言った。

「フィズリーは俺の畑で種まきしてるぞ」

とノーグが言う。

フィズリーはゼファーの孫である。

「そうか、よう毎日毎日……じゃあノーグ、自分で入れて勝手に飲め」

勝手知ったるゼファーの台所、ノーグは自分で豆をひきコーヒーを入れだした。

第17回 第3章 からくり人形 その1

「うーん、今日はどこに蒔こうかな」

7・8歳くらいの女の子が、腕を組み頭を傾けて考えている。

「そうだ、ノーグおじちゃんの畑に蒔こう」

女の子はその場を駆け出した。

この小さな女の子は、毎日花の種を蒔くことを日課としている。

なぜ、そうしているのか。

それについては、女の子にもわからない。


ここは、とある村。

多くの民家があり、何件かの店もある。

水もあり、畑もあり、牛や馬だっている。

この世界では比較的珍しい。


「おじちゃーん、畑にお花の種を蒔いてもいい?」

女の子は畑に着くなり、遠くで農作業をしていたノーグに叫んだ。

「おっ、フィズリーか」

この7・8歳ぐらいの女の子はフィズリーという。

ノーグは農作業をやめて、フィズリーの所までやって来た。

「今日は何の種だい」

フィズリーは毎日違う種を、袋いっぱいに詰め込んで持ち歩いていた。

その事は、村中みんなが知っている。

「うーん、わかんない」

ところが、何の種だか、どういう花が咲くのか、わからない。

この世界では花という植物をあまりみかけない。

食料となる植物でさえ、花を咲かせずいきなり実をつける。

実際に、フィズリーはおろかノーグでさえも花を見たことはない。

しかし、フィズリーは植物図鑑を持っている。

かなり古いもので、色あせている。

花の色は分からないが、花の形は分かる。

フィズリーは、毎晩寝る前にながめていた。

「フィズリー、畑いっぱいに種を蒔いてもいいぞ」

ノーグの畑は、村人に食料を与える為のものである。

それでも種を蒔いていいと言ったのには理由がある。

フィズリーはここ2年程毎日、種を種を蒔き続けている。

しかし、1つとして芽が出たことはないのだ。

「フィズリーはどうして毎日種を蒔くんだい」

村人みんなが疑問に思っている事であろう。

ノーグはそれを口にした。

「村いっーーぱい、お花畑にしたいの」

それがフィズリーの夢であった。



ここはイザークの村。

そう、少年とジョグが目指している村である。

第16回 第2章 森の盗賊 その8

ワン ワン

爆発音のおかげでジョグが来た。

ハア ハア ハア
舌を出して呼吸を整えている。

グラモンを追いかけて戦闘し、さらには荷物袋を咥えて走ってきたのである。

「ジョグ、お前も大変だったみたいだな」

「クーン」

ジョグも散々な目にあった。

せっかく水浴びをしたのに、戦いや木々の間を走り抜けてきたジョグの体は汚れている。

ジョグは咥えてきた荷物袋を、少年の前に置いた。

「よっしゃ、荷物は回収できたな」

だが、荷物袋にぶら下げてあった干し肉はなかった。

グラモンに食べられてしまったのか。

少年はジョグの足にカギ爪を装着した。

そして平伏しているグラモンを捕まえ、縄で縛る。

森を抜けるための道案内とさせる為に。

「こら猿っ、イザークの村へ向かえっ」

少年は捕らえたグラモンを先頭にして、歩き出した。



ザワ ザワ ザワ


回りの木々がざわめく。


ボキ ボキ  バキ バキ


木々を踏み倒す音もする。

少年とジョグとグラモンは、何事かと、音のする方角を見た。

木がなぎ倒され、それは現れた。


グギャーーーーーーオ!!!!


音に誘われたのはジョグだけではなかった。

少年の3倍はあろうかと思われる筋肉隆々の巨人だった。

10体はいる。いや、それ以上か。

こんなの少年に勝てるはずがない。


グギャーーーーーーーーーーーーーーオ!!!!!!!


耳をつんざくほどの雄たけびを上げて、巨人は襲ってきた。

少年とジョグとグラモンは硬直して震えた。

「うわわわ、い、行け!猿!!」

少年とジョグとグラモンは必死こいて逃げ出す。

少年とジョグ、今度は逃げる側になる。

うなり声をあげて追いかけてくる巨人。

捕まったら確実に死ぬ。

「行け!行け!!行けー!!!」

木を避け、岩を避け、くぼみを飛び越え、崖を転げ落ち、また駆け上がり。

それでも巨人は、一直線に迫ってくる。

その距離は徐々に縮まってくる。

戦っても当然勝てない。

確実に死ぬ。

どうしたらいい。

どうしたらいい。

やっぱり、頼みの綱はあれだ。

うまくいくか、でもやらなきゃ死ぬ。

少年は空筒砲のスイッチを入れた。

「3分間、3分間」

充填するまでの3分間必死こいて逃げ回った。

巨人がくぐれないような倒木の下や、岩の隙間を。

しかし、すべてを破壊をしながら追ってくる。

巨人が後ろ2メートルまで迫って来た時、空筒砲の充填が完了した。

とまって発射するにはやばすぎる、走りながら空筒砲を後ろに向け発射した。

ブシュ----ズボッ!!

空筒砲から発射された空気弾が、すぐ後ろの巨人に当たった。

だが、距離が短すぎた。

発射された空気弾は周りの空気を絡めとる事もなく、そのままの大きさで直撃した。

威力は弱かった。

だが、腹を直撃され後ろにいた巨人はうずくまった。

そして、後続の巨人は次々目の前の巨人につまずき倒れていった。

体はでかいが頭は弱そうだ。

それが幸いした。

巨人は全員、倒れてしまった。


少年とジョグとグラモンは空筒砲が近くで当たった為、


ドワーーーーァ~~~アウ~~ァゥ~~~アウ~~~~~~


その爆風で吹き飛ばされ、そのまま森を抜けて荒野に投げ出される事となった。




グラモンは気絶しているみたいだ。

少年とジョグは目を回していた。

「な、なんだ、あのモンスターは、に、人間だったのか?」

巨人は人間のような姿をしていたが、少年の知識にはないモンスターであった。

少年とジョグは意識がはっきりすると、森を振り返った。

森はざわめき立っている。

巨人の雄たけびも聞こえてくる。

だが、森のモンスターが荒野に出てくることは無い。

ひとまず安心だ。




今度は荒野に目を向けた。

はるか遠くに家らしきものが見える。

少年は、じいーーーーっと見ながら確かめた。



「村だ!!ジョグ、イザークだ!!イザークの村が見えるぞーーー!!!」

おそらく、イザークの村だろう。

少年とジョグはグラモンをほっとき、村に向かって走り出した。
今日のわんこ
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