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第22回 第3章 からくり人形 その6

「やっぱりからくりに名前なんて、おかしいよな」

「………」

そうは言っても、やっぱりゼファーの言葉は頭に残る。

気がついたらノーグは、村のみんなに聞いて回っていた。

しかし、誰もがノーグを笑う。

大工のトンカもそうであったし、果物屋のツールフもそうであった。

養鶏を営むチャンボもそうであったし、靴屋のスニカもそうであった。

皆、ノーグを笑う。

だが、服屋のジャンパの店に立ち寄った時だった。

ここでもノーグはジャンパに問う。

「お前、からくりに名前を付けているか」と。

だが答えはもう分かっている。

さんざん言われたから。

「……………」

しかしジャンパは何も答えない。

皆と反応が違う。

「うーん」

ジャンパは少し考えるような仕草をしながら、ノーグを見る。

「どうしたんだ、いきなり」

ノーグは、ゼファーとのやり取りを話して聞かせた。

「そうか名前ねえ」

ジャンパは、まだ考え込んでいる。

「それで、……名前を付けるのかい」

「うーーーん」

今度はノーグが考え込んだ。

それを見ていたジャンパが、小声で言う。

「実はな………おれな………、からくりに名前付けてんだ」

えーーーーー!!!!

「バ!バカ!!でかい声出すなよ!!!」

ノーグは予想外の言葉に、ただ只驚いた。

ジャンパは服屋を営んでいるせいもあってか、見た目は派手で、性格はチャラチャラしている。

こいつが一番だめだろうと思っていた程だ。

それゆえに、ジャンパの言葉は衝撃だった。

「それで、それでなんて名前にしたんだ」

「スカー」

「スカー!!!」

「だから、声がでかいちゅうのー!!!」

服屋のジャンパのからくりは、細身で女性型のロボットである。

ある程度、人間の言語を理解し、それに返答することが出来る。

店での接客には申し分ない機能を備えていた。

その為か、からくりスカーには服さえ着せているし、会話も試みている。

皆からしてみれば、商売のためだと思われているだろうが、ほとんど趣味の世界であった。

一方、ノーグのからくりは初期型のロボットであり、言語機能を備えてはいるが、その機能は停止していた。

その為か、ノーグは農耕器具のひとつといわんばかりに、からくりを酷使している。

壊れたら修理すれば良い、ぐらいにしか考えていなかった。

その機能の違いが、名前を付けるという行為や取り扱いに、違いが出てきたのではないだろうか。

「いい名前だろう、って言うか、俺のことはどうでも良いだろう」

「ノーグ、あんたどうする気なんだ」

「いや……俺は……、みんな、どうしてるかで決めようかなぁなんて」

「みんなはみんな、あんたはあんただろう、自分自身の心で決めなよ」

「うーーーーん………」

「そんなに考え込む事かね、ただ名前付けるだけなのに」

ノーグにとって、からくりは道具のひとつ。

ゼファーやジャンパのように、からくりに対する感情はない。

それでもゼファーやジャンパのように、からくりに対する接し方を考え始めた。

「内緒なんだがな、羊飼いのメーや八百屋のレスタも名前付けてんだぜ」

「レスタがぁ、あんなごつい奴がか、それにメーは付けてないって言ってたぜ」

「名前付けんのに体格は関係ないだろう、それにメーだって、おおぴっらには言えないだろうし」

「そうか、名前付けてんの他にもいるのか」

「ノーグ、あんたもやってみろよ。意外と楽しいぜ」

ノーグは、少し気分が晴れたような思いを感じていた。

だが、じっくり考えてみたいし、ノーグの家族がなんと言うのかも気になった。

服屋のジャンバの店を離れたノーグは、やっぱり立ち止まりながらも考え込んでいた。

そして、ゆっくりと自宅へ戻って行った。

時はもう、夕方になっていた。

ノーグは一日中、からくりの名前に付いて村人に聞いて回っていた。




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第21回 第3章 からくり人形 その5

「うーん、名前かぁ」

「人形だろう………」

ノーグは考え込みながら、村の中を歩いていた。

からくりに名前を付けろといわれても、自分の子に名をつけた時のようには、いかない。

「からくりとは言え、一緒に生活してる様なもんだしなぁ」

止まっては腕組みをし、深く考える。歩いては、また止まる。

それの繰り返しで、なかなか前に進まない。

「よぉー、ノーグ。どうした、やぁーけに考え込んじまってるじゃねえか」

「病気か」

ぶっきらぼうな口調で話しかけてきた者がいる。

鍛冶屋のハンマだ。ノーグの幼馴染である。

口は悪いが気の聞く良い奴である。

ノーグは、その鍛冶屋のハンマの店先で立ち止まっていた。

普段の陽気なノーグが、考え込んでいる姿が気になったらしい。

ノーグは声が聞こえた方向に、顔をゆっくり向けた。

鍛冶屋のハンマの店にも、からくりはいる。

ノーグはハンマの顔をまじまじと見、ずんずんと近づいていく。

その顔は怖い。

「なんだ!なんだ!!なんだあー!!!」

ハンマはおもわず後ろに退いた。

ドン!!

店先のカウンターを思いっ切り手でたたいたノーグ。

更に驚き、後ろに跳ねるハンマ。

「ハンマ!!」

「ハッ…ハイ」

ノーグのあまりの形相とどでかい声に、思わず声を返した。

(俺か?俺が何かしたのか?)

という思いが頭に巡ったが、何も覚えがない。

「お前、からくりに名前をつけてるか?」

「………」

今度は言葉を返せない。

ハンマには、ノーグが何を言っているのか、わからない。

「名前?付けるわけないだろう、何言ってんだ」

思ったとおりの答であった。

イザークの村には、からくりに名前を付けて呼ぶ習慣はない。

ハンマの対応は、ごく自然であった。

ノーグはハンマに、ゼファーとのやり取りを語り始めた。

ヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッ

ハンマは下を向いて笑いを堪えていたが、次第に大きな声で笑い出してしまった。

「ノーグ、ヒッヒッ、そりゃあ、お前、ヒッヒッ、ゼファーのおっさんに、ヒッヒッ、からかわれてんだよ」

言葉の合間に、笑いを堪えながら話していた。

「お、おっ、俺も、そう思ったけど……」

「でも考えてみりゃあ、うなづける所もあってよぉ」

ノーグは弁解するかのように話す。

「ノーグお前、おっさんの病気が移っちまったのか?」

ハンマはもう、笑ってる場合ではなくなった。

ノーグの変わりように違和感を感じ、じっと顔を覗き込んだ。

「病気?そんなんじゃねえよ!!」

恥ずかしさのためか、そう言うと鍛冶屋のハンマの店を、急ぐように離れていった。


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