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ジード回想録 目次

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01 僕の名は、ジード。

本章の三年前

01 僕の名は、ジード。



僕は、暗闇の中にいる。


真っ黒な闇が、

僕の体を包み込み、

僕の心を蝕んでいく。


僕は一体、何者なのか。


なぜ、

此処に居るのだろうか。


いや、

此処に居るのかさえ、判らない。


僕の名は、ジード。


今はもう、

それだけしか覚えていない。


僕に話しかける者は、

いない。


僕が此処にいるのを、

気付いてくれる者は、

いない。


誰一人として。


僕はこのまま、

この暗闇の中で、

生き続けるのだろうか。


僕の名は、ジード。


1000年の時を、

暗闇の中で生きている。


003 岩に化けたモンスター

少年の語らいは、ずいぶんと時を要した。
おかげで、体力は十分回復している。

太陽のあるうちに森を抜けたかった少年は、ジョグを見るなり、
「森は近い、行こうかジョグ」
荷物袋を肩に掛け、立ち上がろうとした。

その時、
「ワン!!ワン!!ワン!!ワン!!ワン」
勢いよく、ジョグが吠え出した。

「そうかジョグ、ようやく分かってくれたか」
少年はジョグに熱い抱擁をしようとした。
だが、少年の抱擁を拒むかのように、ひらりと避ける。
そして、少年の左側の岩に向かって、うなり声をあげた。
「ウーグルグルグルルルルルル」
「何だ、どうした」
少年はジョグが吠えている方向に顔を向けた。

ギョロリ

目玉らしきものが、少年を睨み付けた。
その目玉は血走っている。
捕食者の眼光である。

「なんだーーぁあああ!!!」
少年は裏返った声を挙げ、一瞬硬直してしまった。

その時、睨みつけてる目玉の下部が横一線に割れていく。
その割れ目から鋭い牙のような物が現れた。
岩と思っていた物が大きく口を開けた。
その鋭い牙を持つ口は、少年の左腕を咬んだ。
「ぐわっ」
少年の左腕には手甲があるものの、牙は肉に食い込む。
少年の腕に激痛が走る。

それは、岩に化けたモンスターであった。
「グルグルグル ウー ワン!!」
ジョグはモンスターに噛み付こうとするが、硬くて咬めない。
牙が効かぬ事を察すると、足に装着したカギ爪で攻撃した。
カギ爪は大抵のモンスターなら、切り裂くことが出来る。
だが、カギ爪さえも効かない。
体中、岩のような硬質の皮膚を持っている。

少年は牙をはずそうと懸命だが、モンスターの顎は強くはずれない。
痛みを我慢しながらも、少年は右手で背中の柳刃包丁を抜いた。
「こ・の・うぅおうーー」
柳刃包丁を水平に構え、おもいっきりモンスターの右目を突いた。

ギャーーーー!!
目をつぶされ、血が吹き出す。
モンスターはたまらず口を開け、上半身を起こす。
と同時に、右手で少年を突き飛ばした。

大地は砂、顔を砂に埋めるかのように滑稽な格好で着地した。
ヒーローらしからぬ姿ではある。
荷物は少年の肩を離れ、遠くに飛んでしまった。

痛みに堪えながらも、どうにか戦闘体勢を整えた。
「くそ、岩に化けてたのか」
このモンスターは岩に擬態することで、獲物を待ちうけ捕食するのである。
モンスター特有の匂いも抑えられる。
したがって、ジョグの鼻でも感知しずらかったのである。

少年は叫んだ。
「ジョグ、回り込め!」
それに呼応して、
「ワン!!ワン!!ワン!!」
モンスターの周囲を吠えながら駆け出した。

モンスターは少年とジョグの両方に警戒しつつ、右に左に大きく体を揺らしている。
目には柳刃包丁が刺さったままだ。

上半身を起こしたモンスターを見た少年は、
「こっ、こいつは」
少年はイザークから来たというショーバが、モンスターに付いて話をしていた事を思い出す。

「そうだ、アルマジロン!!」

アルマジロンと呼ばれるそのモンスターは、アルマジロの特異変質体だ。
「こいつの弱点は腹だ!」
アルマジロンはほぼ全身が鎧状の皮膚で覆われている。
だが腹部には、それがない。
その為、うつ伏せになって岩に擬態するのである。

狙うは腹部だ。
少年はアルマジロンの目に刺さった柳刃包丁を取ろうと、死角から忍び寄る。
その間、ジョグは反対側に回り威嚇する。
少年の行動を、アルマジロンに悟られないようにする為だ。
うまい連係プレイである。
故郷を離れこの荒野に至るまで、様々なモンスターと共に戦って来たゆえだ。

少年は、アルマジロンの顔の右側に近づいた。
手を伸ばし柳刃包丁を握り締める。
そして、これを力の限り引き抜いた。

ギャーー!!
悲鳴と共に、再び血が吹き出した。

002 少年の夢

少年と白い犬は焼け付くような日差しの中、ヒヨシと呼ばれる荒野を連れ立って歩いていた。
ふと立ち止まった少年は、日差しを手でよけながら、遠くを眺める。
何かを確信したかのように頷き、白い犬を見た。
「ジョグ、遠くに森が見えるだろう」
少年は、遠くに見える森を指差して言う。

ジョグに少年の言葉がわかるはずもないが、話し相手には充分である。
確かに荒野の先には、緑色した物体がゆらゆらと動いている。
気温のせいであろう。
蜃気楼にも見て取れるが、その上には薄く雲がかかっている。

間違いない、あれは森である。

だが、どのくらい先に存在するか、今はまだわからない。
「森を抜けてさらに荒野を行った先に、イザークの村があるはずだ」
イザークの村があるはずだ。
そう、あるかどうかは定かではない。

世界が崩壊したとき、地形もだいぶ変わってしまった。
海が陸地になり、陸地が沼になり谷になり。
地図は存在するのだが、世界を旅した者はいない。
だから、どこに何があるのか。
人類はどこに生存しているのか、わからない。

だが少年の故郷に、イザークの村から来たというショーバと名乗る者が来た。
各地を商売してまわっているらしい。
ショーバの話の中に、ゼファーと言う人物の名前について語られたことがある。
そのゼファーとは、からくり技師である。

からくりとは、前世界において使われていた機械全般を指す。
ゼファーは前世界の遺産である機械を掘り出し、修理して使えるようにするのだと言う。

少年には夢があった。
大空を飛びたい、という夢が。

でも、今の自分にはどうすることも出来ない。
どうしていいかさえも分からない。
そこで少年は、ゼファーに会いたい、ゼファーに教えを乞いたいと思い立ったのである。
そして故郷を離れ、イザークの村へ旅立った。

ヒヨシの荒野を歩いていると、2メートルほどの岩があった。
大きい岩ではないが、それでも焼け付くような暑さを避けられるほどの影が出来ている。
「ジョグ、あの岩陰でちょっと休もう」

ヒヨシの荒野は広大な荒地。
これを横断するに6ヶ月はゆうに掛かるだろう。
だが、それもあとわずか。
森は確実にそこにある。

だが少年とジョグは、もう何時間も歩いていた。
体力は限界に来ていたし、喉も渇ききっている。
潤いが欲しい。
少年とジョグは岩陰に向かって走り出した。

近くまで行くと、ジョグは警戒するように辺りを探っていたが、何事もなく座り込んだ。
「何だジョグ、何かあるのか」
ジョグの行動に少年は警戒し、辺りを見回したが何か起きるような感じはしない。
モンスターの気配もない。
荒野には、多くのモンスターがいる。
警戒するに越したことは無い。
「ジョグ、警戒しすぎだぞ」

少年は背負っていた荷物を降ろし、岩陰に座った。
水筒を手に取り、水を口に含む。
ジョグの口の中にも、水を注ぎ込んであげる。

一息付くと、荷物の中から紙切れを取り出しじっと眺めた後、ジョグにも見せた。
「これはな、空を飛ぶからくり箱らしい」

1000年前の写真だ。
色はすすけて分かりにくいが、どうやらジャンボジェット機らしい。
「大勢の人間を乗せて空を移動していたんだと」
ジョグはただ写真を見、少年の話を聞くだけだ。
答えてはくれない。

が、少年の話はまだ続く。
「俺はな、いつか必ず空飛ぶからくり箱で、この世界を旅したい」
今、この世界に飛行機はない。
からくりと呼ばれる機械類さえ存在しないはずだ。
しかし、イザークの村にいるというゼファーは、からくりを発掘し使えるようにしていると言う。

「イザークの村に行けば…ゼファーに会えれば…俺の夢は叶うかもしれない」

熱く熱く、こぶしを握り締めて、少年は語った。
だが、ジョグは答えてくれない。
少年は今までに何度もこの夢をジョグに語っていた。
ジョグは、一度も答えてくれた事はない。
だが、黙って少年の話に耳を傾けてくれる。
わかっているのかどうか、たまに相槌さえうってくれる。

少年は語りつくしたのか、写真を荷物袋に入れた。

001 荒野の戦闘

突然、世界が崩壊した。
それから1000年
世界は見るも無残に変貌していた。

001 荒野の戦闘

ここは荒れ果てた無尽の大地。
草木は少なく、あるのは岩や残骸。
そして地平線の先までも広がる砂、砂、砂。
熱く乾いた風が砂を舞い上げ、黄土色の空間を呈している。
太陽が真上に昇っていて、日差しが強く焼け付くような暑さである。
その砂の大地に、一人の少年と一匹の犬が険しい顔つきで立っていた。
少年の身丈から察するに、そう中学生ぐらいだろうか。小柄である。
足元にもおよぶ長いマントを身につけ、ゴーグル装着している。
いや、少年はゴーグルだと思っているが、その形はどう見ても水中眼鏡である。
口は布で覆っている。
吹きすさぶ砂から、身を守るためだ。
体には手甲と足甲を装備し、左右の腰には武器を2丁ぶら下げている。
首に巻いた白くて長いスカーフが、風にあおられて舞っていた。
少年にとって、白のスカーフはヒーローの証しなのだと言う。
右手には剣を。
と言いたいところだが、なぜか柳刃包丁を持っている。
細くて長い包丁である。
見ようによっては剣かもしれない。
左腕から血が滴り落ちて、少年の足元の砂は赤く染まっていた。

柴犬に似た小柄な白い犬も、少年同様水中眼鏡を付けている。
舞い上がる砂は、この白い犬にとっても最悪なものだ。
眉間から赤い毛が後頭部まで伸びていている。
獅子のたてがみを思わせるような、いやニワトリの鶏冠(とさか)を思わせるような。
4本の足には、カギ爪が装着されている。
砂地を歩きやすいようにするためだが、いざ戦闘という時には武器にもなる。

少年と犬は戦闘体勢をとっていた。

少年の身丈の2倍ほどもあろうかと思われるモンスターと戦っていたのだ。
モンスターは右目をつぶされ、血が滴り落ちている。
カキーーーーーンン・ン・ン・ン
響き渡るその音は、少年の剣。
いや、柳刃包丁がモンスターの皮膚に当たった音だ。
だが、モンスターは体中に鎧のような硬質な皮膚を持っていて、柳刃包丁では通用しない.。

なぜ戦っているのか。
少々時を戻して見てみよう。
今日のわんこ
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