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からくり童子 第7話 始まりの刻 第49回 特訓の成果

ジードなりに、“ものすごぉーーい風”をイメージしていた。
ジードの体の周りで薄い層を成すように、ほんのり光りだす。
朝日を浴びて、肌がきらめいているようにも見えるが、それは確実にジードの体が発光していた。
フィズリーと仲良し三人組が、それに気付かぬぐらいの微妙な発光である。
そして、肩まで延びた黒い髪がふわりと持ち上がり、まるで風に揺られるようにたなびくと共に、白く変化していった。
次にジードの体が持ち上がるように、ゆっくりと宙に浮き始める。
かかとが離れ、今はつま先だけが地面に触れている状態だ。
フィズリーほどではないが、これがジードの“風の発動”の現象なのか。
そしてジードは、吸い込んだ空気を勢いよく吹き出した。

キィーーーーーーーーーーーンンン

高周波のような音が、周りに響く。

「うわわわわ」

「頭の中がぁー」

「キーンって、キーンってする!」

フィズリーと仲良し三人組は、耳をふさいでしゃがみこんでしまった。
風車小屋のガラス窓が小刻みに震えて、カタカタと音を出している。
その振動は徐々に大きくなり、粉々に砕け散ってしまった。
ジードが吹き出した空気は、細くて鋭い風であった。
それは弾丸の如く打ち出されたようで、煙の混ざった朝霧を切るような鋭さで、村の中を飛ぶ。
あっという間にイザークの村の入り口を抜けた。
村の入り口を抜けたとたん、朝日で温まりだした荒野の空気を巻き込む。
それは、徐々に大きな強い風となり、更には地表の砂さえ巻き込んで、巨大な大きさに成長していった。
まるで少年が打ち出した、空筒砲の空気弾のようである。
いや、ジードが打ち出した風は、それをはるかに超えていた。
横に走る竜巻の如く進んで行き、イザークの村より遥遠くにある森にまで達していた。

ズドーーーーン!!ズズズズズ!

木々をなぎ払い、モンスターを蹴散らし、風は森をえぐるように直撃した。
その砂埃は、イザークの村から見えるほど立ち昇る。
フィズリーと仲良し三人組は言葉を発する事無く、口をあんぐりと開け、遥向こうに立ち昇る砂埃を見つめている。

「おー、すごい」

「やっぱりお化けだよ」

「頭がキンキン」

三人組は、それぞれの思いを口に出していたが、森1つを吹き飛ばしたという重大な事には無関心であった。

「 お 化 け だ ね 」

フィズリーも、思わず口に出していた。
自分にも不思議な現象が起きていることを、フィズリーは知らない。
その最中、ジードの体はつま先が地面から離れて、今は完全に宙に浮いていた。

「あわわわわ」

踏みしめる大地に足が届かず、慌てふためくジード。
身動きは取れるが平衡感覚を失い、空をつかむようなその動きは、慌てているジードにとって、まるで船酔いでもしている感覚に落ちて、気持ちの良いものではない。

「ああ~、浮いてる~」

「お化けだ、お化け」

仲良し三人組は、もうジードを人間と思う事なく、お化けであると確信している。
そのせいか、この現象を当たり前のように捉えていた。

「ジード、どうしたの」

フィズリーはこの不思議な現象を捉えつつも、ジードの状態の異常さに心配して声をかけた。
が、ジードは答えない。

「ジード!!」「ジード!」「ジード…」「………」

何度も声をかけるが答えない。
それもそのはず、ジードは徐々に意識が薄らいでいた。
そして瞼を閉じ、完全に意識がとんだ。
意識が無くなった事により、風を吹き出す力に抵抗できなくなったジードは、そのまま真後ろにヒューンと飛んでいってしまった。

「ジード!!!」

遠ざかって行くジードに叫ぶフィズリー。

ズドーーン

風車小屋を横切り、近くの崖に激突し、めり込んでしまった。
その衝撃は、話し合いをしていたタニヤの店にいる村人達にも、振動となって届く。
立っていた者は転び、座っていた者は椅子ごと転倒してしまった。
椅子を戻し、立ち上がって辺りを伺うゼファー。

「なんだ、今の地響きは?」

村人は一斉に店の外に出て、周囲を伺う。
村人の目に映るのは、ジードの風で破壊された森の砂埃と、風車小屋の前で立ちすくんでいる4人であった。

「何だ、あれは」

今まで見たこと無い砂埃に、愕然となる村人達。
ゼファー・羊飼いのメイ夫婦・果物屋のツールフ夫婦・服屋のジャンパ夫婦は、子供たちに駆け寄る。

「何があった」

ゼファーはフィズリーに声をかけた。
フィズリーは崖を指差して、

「ジードが埋まっちゃった」

ゼファーが見ると、崖の形が変わるほどの状態で、ジードがめり込んでいるのがわかる。

「な、何で?」


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Comment
それとも、ただのんきなだけなのか
↑これに笑って、そのまま進み、ここまで到達してしまいました~

フィズリーの発光の意味が分かりました。
想いが結晶となる。ああ、なんだか、ものすごく感動します。
人間が考え得ることは実現可能だ、とすごい前向きな意見を聞いたことがありますが。

過去、どうだったのかではなくて、今後、どうなっていくのか。オムさんの言葉に、ものすごくエネルギーの輝きを見た気がしました。
その想いの結晶が、オムさんにとってはこの物語なんだろう、と感じます。
世界を愛していることが伝わってきます。
今後を、楽しみにしております。

あ、それから、写真も楽しませていただいております。
東北はまだ桜咲きません。でも、リアルタイムの桜の写真に和ませていただいておりやす。
それから、栽培日誌も、すごく楽しみです(^^)
無事、収穫されて、素晴らしいレシピが披露される日も近いっすね!
ふふふふふ。
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