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からくり童子 第7話 始まりの刻 第50回 イザーク自警団誕生

タニヤの店での村人会議で決まったことは、こうであった。
モザークの村に、戦闘訓練の為の救援要請を出す。
モザークの村では大分以前から自警団が組織され、盗賊やモンスターの撃退に多くの成功を収めている。
救援要請には、ノーグと2人の若者が当たる事になった。

「まかせてくれ、モザークには俺の従兄弟がいる」

「まだ、生きてればの話しだがな」

ノーグは元々モザークの村の住人で、イザークの地には開拓者として両親と共に移り住んできた過去がある。

「昔の事だからな、覚えてくれてりゃいいんだが」

血縁者もいて、話を通しやすいというのが理由であった。
ノーグは夜明けと共に、既にモザークの村へと旅立っていた。
モザークの村は南に10キロほどいった所にあるのだが、その間の荒野はモンスターがいる。
モンスターを刺激しないよう慎重に移動しなければいけないため、往復でも5日はかかると考えている。
次に大工のトンカ、鍛冶屋のハンマ。
この二人が中心になって、戦闘技術を身に付けようというのだ。
トンカとハンマも、ノーグと共にイザークの地に家族で移住してきた同士である。
もう30年前の少年の頃であるが、この三人は多少の戦闘訓練を受けていた。
この2人に決まったのは、ノーグよりも年齢が上で、戦闘訓練を受けた期間も長いという理由だ。

「こんな時に、ショーバが居ればなあ」

ショーバとは、少年とジョグの故郷にやって来た旅人で、ゼファーの発掘・修理した機巧装置を売って歩いていた。
また、村では製造されないような物を購入したり、人材の確保を担っていた。
服屋のジャンパや羊飼いのメイなどが、ショーバの誘いによってイザーク村に移住してきた者たちであった。
このショーバは、少年とジョグがイザークの村に旅立つきっかけとなった者だ。
この男の家族も、ノーグの家族と共に移住してきた同士なのだが、イザークの村に居を構えても尚、日々戦闘訓練に磨きをかけていた人物である。
今では、モンスターが跋扈するこの世界を旅できるほどの戦士となっていた。
が、まだ旅の途中だろう。イザークの村には不在であった。

「子供の時に訓練しただけだからな、自信は無いぞ」

知らないよりは良いという事で、トンカとハンマが指導員となった。

「モザークの戦士が来るまでだ。何せ、基本しか知らんのだから」

もちろん、モザークの村人が救援要請を受け、指導員を派遣してくれれば問題ない。
この戦闘訓練は襲撃を受けた際、それをかわしながら避難することも含まれていたため、村人全員が参加する事になった。
武具の製作をハンマと服屋のジャンパが担当。

「剣だろう、……、包丁のでかい奴だったかな」

「軽くて丈夫で、モンスターの爪にも引き裂かれない服?そんな都合の良い服なんて出来るか!」

食料の確保を農家のツーチ、羊飼いのメイ、果物屋のツールフ、養鶏業のチャンボが担当。

「保存の効く野菜?やっぱり芋類、豆類かな。葉野菜は駄目だぞ」

「やっぱりチーズよね。私の作ったチーズは最高よ!」

「果物を長期保存?……。乾燥フードよね。作れるかしら」

「鶏肉を燻製にでもするか。卵?それは鶏のスザンヌさんに頼んでくれ」

大工のトンカは村の入り口に強固な門を制作することとなった。

「作れって言われりゃ作るけどよ。どうすんだ、材料。森を伐採するのか?」

水の確保は八百屋のレスタとニラの親子が担当。

「確保って言ったって、森の湧き水か風車小屋の井戸でしょう?」

「トンカ、あんた木を切っちゃ駄目よ!そんな事したら、只じゃ措かないよ」

他の村人達も、各々の家を補強強化する事となった。

「家の補強ったって、どうすりゃいいのさ」

普段の仕事を続けながらの作業となる。気の遠くなるような作業である。
またゼファーには電力の確保を考案してもらう事とした。
からくり人形の為である。
そのゼファーは今、秘密の洞窟にて、フィズリーと共に、ジードの回復を待っていた。

「早く、目を覚まして」

崖に激突しめり込んでいたジードを、村の男達で助け出した時には気を失っており、風車小屋に運んだのだが、なかなか目を覚まさず洞窟のカプセルに再び投入したのである。
天才からくり技師の感が、そうさせたのであった。
ゼファーはフィズリーに事の真相を聞いていた。

「あれほど激しくぶつっかっておいて、怪我ひとつ無いとは」

「風の使い方を何とかしないと、我が身が危ないのぉ」

今回は黒い霧状のナノマシンが噴出しても、なかなか終了しない。

「何だ?怪我もしとらんというのに、なぜこんなに時間がかかるんだ」

電力の復旧を気にしているゼファーは、時間を惜しんでいた。
ゼファーにとって電気とは、単にからくり人形のエネルギーに有らず。
今日を生きるための食料となる素材であった。
つまり、からくり技師としての修理だけでの収入の他、電力の供給によっても、収入を得ていたという事だ。
電力が復活しないとなると、当然の如くからくり人形を修理する必要をなくす。
当然、無収入になってしまうのだ。
ゼファーにとっては、襲撃退策より目の前の電力確保が重要であった。
なかなか回復を見せないジードに、多少苛立ちを覚え、

「洞窟内の土を自由に使って良いから」

という条件のもと、フィズリーにジードの見張りを頼んで自宅に戻った。

「ずるーい」

大人の取引は恐い。
強い意志も、状況によって簡単に転ぶことを知るフィズリーであった。
そのころ村の広場では、村人が集まっていた。
イザーク村防衛のために、組織化しようというのだ。
ノーグの奥さんのマカは鎌を持ち、長男のツーチと次男坊のタネンと娘のナエは熊手を持ち、ノーグの母のクワは鍬(くわ)を持ち。
羊飼いのメイは鞭を持ち、服屋のジャンパ夫婦は鋏を持ち、食堂のタニヤはお玉を持ち、養鶏業のチャンボはスコップを持ち、おまけに鶏のスザンヌさんと辰巳さんまでが、羽をバタバタさせて参加していた。
後にスザンヌさんと辰巳さんは語る。

「命の重さに、人間と鶏の差があろうか」と。

だが、鶏が人間の食料となっていることを、知らなかった。
皆、農作業や料理などの身近で武器になりそうな物を手にしていた。
武具の製作を待たず、訓練を先行させようという事である。
そして、村に存在するからくり人形でさえ、これに参加していたのである。
村の防衛のためには、出来ることをすべてやろうという決意である。
皆で共に力を合わせようという意思は、考え方を大きく変えた。
今まで総称である“からくり人形”という呼び方だと、一固体を特定できなくなるので、それぞれに名称を付ける事としたのだ。

「お前ンとこのあれ、名前どうした」

「俺ンとこは、ウコッケイにしたよ」

「私ンとこは、キュウリにした」

「あたしんとこは、ニラタマにしたわよ」

理由はどうであれ、ゼファーの望みはひとつ達成した事となる。
鍛冶屋のハンマと大工のトンかは、高々と宣言する。

「我々の村は、我々の力で守ろう!!」

「我々の生活、未来を守ろう!!」

それぞれの武器なるものを、高々と上げ、

「エイッ、エイッ、オーーーーー!!!」×村の皆さん

小さい羽を大きく広げ、

「コケッ、コケッ、コケッコッコォーー!!」×鶏のスザンヌさんと辰巳さん

これが、イザーク自警団の誕生の瞬間である。
そこにはなぜか、異常に戦闘意欲を燃やした小さい見習い戦士がいた。
スプーンを持ったアプル。
フォークを持ったミイ。
お箸を持ったツーシャ。
仲良し三人組の5歳児であった。

「えい、えい、おー!!!」



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