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からくり童子 第8話 少年の夢 第58回 イザークとモザーク

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第8話 少年の夢
第58回 イザークとモザーク


イザークの村にやって来たモザーク自警団は、タニヤの食堂に村人を集め、自己紹介を終えていた。
イザーク自警団の発足後、準備も整わない内に巨大なモンスターが襲ってきたのだ。
みんな真剣である。
以前の村人会議と違い、静まり返ってモザーク自警団の言葉を、一語も逃さぬ覚悟で聞いていた。
既にモンスターが襲ってきた以上、ゆっくりと策を論じている場合ではない。
体格の良い若者10人が、戦士としての特訓を受ける。
鍛冶屋のハンマと服屋のジャンパは、指導を受けながら武具の製作。
材料不足を見越して、鉄鉱石も運び込まれていた。
女達の中から何人かと、少数の男は医療技術を身に付ける事とした。
イザークの村には医者がおらず、ゼファーがある程度面倒見ていたのだが、やはりこれから戦いが多くなると予想され、専門医が必要とされた。
女性を中心に組織されたのだが、他地区への交流なども考え、男達にも医療の知識を持つ者を必要とした。
旅先で負傷した際の手当ての為である。
この男達には、軽く戦闘技術も身に着けてもらう事になる。
自分の身は自分で守る、という事だ。
また、モンスターや盗賊に対抗するための街づくりを必要とした。
これは、大工のトンカとモザークの村から来た石工のメイソンが中心となり、村人全員で行う事とした。
これはまず、石工のメイソンが村の現状を調査して、図案を作成する。
実際、人が住んでる中で行われる作業なので、イザークの村人の承認を受ける事にした。
大幅な計画を立案し、人員配分を済ませた後、イザークの村人は振り分けられた各チームごとに今後の計画を立てる事にした。

「あんたが鍛冶屋のハンマかい?」

モザーク自警団の中でも体格が良い、きりっとした顔付きの男が話しかけてきた。

「俺を覚えちゃいねえかなぁ」

30歳くらいであろうか、ちょっと渋みが入ったクールな男である。
戦士にも思えるような、引き締まった筋肉をしている。
ハンマはその男の顔をじっと見ていた。
ハンマがモザークの村を離れてから30年。
その間、モザークの村人との交流はなかった。
覚えているどころか、知らないはずである。
それでも、なぜか親しみの沸く顔をしていた。

「覚えちゃいねえか。あんときゃまだ、赤ん坊だったらしいからよ」

「赤ん坊……あっー!お前、政か!カヨさんちの政だろう!」

「そうよ!その政よ!いやぁ、やっとこさ思い出してくれたな。うれしいぜ、ぎりぎりって感じだったけどよ」

「当たり前だろう、会ったのは政が赤ん坊の時だぜ。しかし、あのちびっ子がデカくなったもんだぜ」

「俺だって人の子よ、30年もたちゃあ、こうもなるさ」

鍛冶屋のハンマと政は従兄弟である。
ハンマの父親には歳の離れた妹のカヨがいて、その息子が政である。
今ではモザーク村きっての鍛冶屋であり、その仕事振りから、仕事人鍛冶屋の政と呼ばれ親しまれていた。
カタナの黒光りのバスターソードなる牛刀を鍛えたのも、ジョグのカギ爪の仕込みを施したのも、政である。

「そうか、あの赤ん坊に教えを請うのか」

「ハハハ、性がねえよ。ハンマは今まで、日常の道具を作ってんだろう。そっちの方に関しちゃあ俺はど素人だが、武器に関しちゃ俺に分があるからよ」

「そうだなあ、この地に来てから武器のことなんか、考えた事もなかったからな」

「そういうことだ。まっ、直ぐに覚えるさ、基本は同じなんだからな。それに、血の繋がりがあるしよ」

「血の繋がりは、関係ないだろう」

「あるさ、全くの他人と身内では教えんのに熱の入り方が違う。身内だと情熱の炎を燃やして教えられるからな。鍛冶屋だけに」

「………」

「あれ、つまんなかったかい」

見た目は格好良い姿であるが、ジョークのセンスはないらしい。

「へぇー、二人は身内だったんだ」

と、モザーク自警団の女戦士グレープが話しかけてきた。

「あぁ、そうらしい。30年ぶりだからな、実感はないが」

鍛冶屋のハンマが言う。政はグレープに向かい、

「だから言ったろう。モザークとイザークは、身内みたいなもんだってな、ノーグやトンカだって、モザークの出だぜ。グレープだって、このイザークの村に身内が居るんだろう」

「あぁ、ルクアートとツールフとアプルとパインね」

この女戦士グレープと、果物屋のツールフの旦那であるルクアートとは、叔父と姪の関係であった。
グレープとアプルは従姉妹の関係になる。

「アプルっていやぁ、ちび三人組の子か。モンスターと戦うんだって、張り切ってたな」

「困ったもんだ。まだ、ちびのくせに。そんな事より、ハンマに聞きたいことがある。このイザークの村は荒野にありながら、モザークの村と違い、過し易い気温だし、それに植物も育ちが良い。なぜだ」

「あぁー、そんな事か。山の上に森があるだろう。森から湧き出た水が滝となって、貯水池に落ちる。するとな、水が熱を奪って周囲を涼しくさせるらしい。イザークの地形にも利点があって、モンスターや盗賊の侵入も阻んだ上に、村の涼しい気温を外に逃さないようになってるらしい。これはな、ゼファーの発案なんだぜ」

「ゼファー。カタナが会いたがっていた、あの物騒な爺さんか」

「おいおい、爺さんって言ったら怒るぜ。まだ、若いんだからよ」

「そうか、すまん」

「それで、植物は」

「それに関しちゃ、俺が言おう」

近くで、モザーク自警団のリーダー格の男と話しをしていたノーグが、声を掛けて来た。

「植物の育ちが良いのは、土のおかげなんだ。良質の土を散布して、少しづつ土へと変えていったんだよ。今では結構な量に増えてるからな。より多くの植物を育てられるようになったんだ。これも、ゼファーが開発したもんだがな。まっ、詳しくはゼファーに聞きな」

今度はモザーク自警団のリーダー格の男、パースが声を掛けて来た。

「ゼファーが、このイザークの村の村長なのか」

「村長?そんなもんは決めてはいないが、あえて言うなら、そうかな。最年長者だし、それに村を大きく豊かにしていったのは、ゼファーのおかげだからな」

「そんなに凄い人なのか」

「あぁ、見た目や性格を除けばな。風車を考えたのも、からくり人形を作ったのもゼファーだからな」「ほう、からくり人形か。モザークにはないからな、一度見てみたいもんだ」

「どこの家にもあるから、見ると良い」

こんなところで話しをしてても性がないだろうと、ノーグは提案した。

「そんならいっそ、ゼファー家にいってみるか」

「ちょっと風変わりなおっさんだが、あんまり気にするなよ」






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