ホーム   »  スポンサー広告  »  スポンサーサイト  »  からくり童子 風のジード   »  08 少年の夢  »  からくり童子 第8話 少年の夢 第59回 ジードの記憶

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

からくり童子 第8話 少年の夢 第59回 ジードの記憶

通常更新版になります。
第8話 少年の夢
第59回 ジードの記憶


今、フィズリーは秘密の洞窟にて、ジードの回復を待っていた。
というより、洞窟内の土を自由に使って良いと言うゼファーとの約束により、フィズリーは洞窟内に種蒔きをしていた。
あの青白い光の中で、花の種を生み出す不思議な現象は、今も起きていたのである。
ジードが気を失ってから今日まで、フィズリーにとってはいつもと変わらぬ日々が過ぎていた。
洞窟内にいたフィズリーには、今日モンスターの襲撃があった事さえ知らない。
ジードが気を失ってから、実に5日が経過している。
今だにカプセルの中には、ナノマシンが充満しており、ジードの姿を確認することが出来ない。
ジードは今、夢を見ていた。
いや、夢と言っていいのか定かではないが。
そこは、黒い霧が漂う空間であった。
ジードの視点の先には、2人の少年がいた。
1人は白く輝き、もう1人は黒く輝いていた。
その2人の少年は、色を除けば同じ顔、同じ姿をしている。

「お前は何を望む」

白く輝く少年が、黒く輝く少年に問う。

「私は、この世の破壊を望む。お前は何を望む」

今度は黒く輝く少年が、白く輝く少年に問う。

「私は、この世の創造を望む」

「笑止、この世は既に既に存在している。今さら創造の必要なし」

「否、創造は日々の営みの中にこそ、必要」

2人の少年の問答は暫く続いたが、黒く輝く少年の行動により、戦いへと移っていった。
黒く輝く少年は空間に漂う黒い霧を一点に凝縮し、白く輝く少年にぶつける。
白く輝く少年は風を生み出し、それをシールド状に変化させ、払いのける。
黒く輝く少年は黒い霧を発生すると、それを凝縮して3個の玉を形成した。
そして、白く輝く少年に向けて解き放つ。
1つ目で白く輝く少年のシールドをはじき、2個の玉が白く輝く少年の体に激突する瞬間、かろうじて避けた。
黒く輝く少年は、続けて極大の黒い玉を形成。
それを、白く輝く少年にぶつける。
大きすぎて避けきらない、白く輝く少年。
黒い玉は白く輝く少年を呑み込み、侵食を開始する。
白く輝く少年は、自らの体を包み込むようにして風を発生させるも、既に侵食した黒い霧に阻まれ、風は吹き飛ばされてしまう。
黒く輝く少年は、即座に弾丸状の玉を無数に発生させ、打ち出した。
もはや、風のシールドでは防げないと悟った白く輝く少年は、上空に身をかわそうとするが、黒い霧に浸食されている体では思うように動けず、下半身に無数の黒い弾丸は直撃し、吹き飛んでしまった。
下半身を失くし、上半身の大部分が破壊された白く輝く少年。
その下腹部には機械構造体が露出し、オイルとも思えぬ、血とも思えぬ赤い液体が噴出していた。

「もう、その姿では何も出来まい。これから私が行う様を見ているが良い。破壊こそが創造の糧だ」

黒く輝く少年は、そう言い放つと忽然と消えた。
白く輝く少年は下半身を失いながらも、右腕のみを使って自分の体を引きずり、ジードに向かってくる。
白く輝く少年は右手を伸ばすと、白い光がジードの目の前に広がった。
そしてひとつの夢が終わり、また、ひとつの夢が始まった。
そこには、8人の子供達がいた。
その子供達は体全体が光り輝き、黒い渦を巻いた霧の中で空中をグルグルと回っていた。
意識はなく、ぐったりとしている。
いや、1人だけ意識を持った者がいる。
青く輝く女の子である。

「あなたは、何者です」

その女の子は、誰ともなく黒い霧を見つめていた。

「私は………ジード。破壊をもたらす者だ」

「ジードじゃない。あなたはジードの体を奪った者。あなたは誰です」

「漆黒のライブジェム、風のジードだ」

黒い渦を巻いた霧は、その速度を速めて更に回りだした。

「我が思念に染まれ」

そしてひとつの夢が終わり、また、ひとつの夢が始まった。
目の前には、白い髪に白い髭、白い衣服を身にまとった科学者らしき人物がいた。
ジードの顔を覗き込みながら、語りかけてくる。
その顔や頭には相当数の怪我をしているのか、出血していた。

「お前が最後の希望だ」

「頼む、私の過ちを正して欲しい」

そしてひとつの夢が終わり、また、ひとつの夢が始まった。
目の前には、透明の物体があった。
ソフトボールくらいの大きさであり、その物体の向こうに男の顔があり、ワイドになって間抜けに見えた。
その物体の中心には、宇宙のような無数の星があり、その星の輝きは虹色の光と共に物体の周囲にまで広がっていた。

「これは、ライブジェムのコアじゃと、わしは考えておる。これを、お前に取り付けるぞ」

取り付けられた瞬間、目の感覚しか持たなかったジードは、全身に感覚を感じるようになった。
そしてひとつの夢が終わり、また、ひとつの夢が始まった。
そこは、何も見えなかった。
が、声だけは聞こえてくる。

「直ぐに、見えるようにしてやるからな」

パチッと火花が飛ぶような音がして、辺りが少しづつ明るくなっていく。
はっきりと見えるようになった時、

「わしが、分かるか」

と、白衣の男が目の前に立っていた。
ジードは、目をキョロキョロさせた。
そして、目線を下に向けた時、機械が露出した自分の体を見た。

「これから、人工皮膚を着けてやるからな」

「お前を、任下と何ら変わらぬ姿にしてやるぞ」

そしてひとつの夢が終わり、また、ひとつの夢が始まった。
目の前には、8つのカプセルがあった。
そのカプセルの中には、それぞれに8人の子供達がいた。
白衣の男が、カプセルのふたを開ける。
子供達は目を覚まして起きた。
白衣の男は驚き、子供達の髪を触ったり、目を覗き見したりしている。

「何と、髪と目の色が変わっとる」

その声を聞いた子供達は、自分の髪をかき上げたり、目の前に持ってきて見たり、お互いの目の色を確認したりしていた。

「何と、動きまでが滑らかではないか。これが、ライブジェムの力なのか」

子供達の中で、緑色の髪をし茶色の目をした女の子が、白衣の男に向かって言った。

「何を驚いているの、ドクターゼファー」

そして、夢が終わった。
いや、夢と言っていいのか定かではないが。
カプセルのナノマシンはジードの記憶を回復しているのか、それとも只の夢なのか。

「今日も目を覚まさないね」

フィズリーはそう言うと、

「また来るね」

と自宅に戻って行った。




スポンサーサイト
Comment
Trackback
Trackback URL
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
今日のわんこ
プロフィール

からくりオム

Author:からくりオム

めざせ!いきもの大図鑑
Yahoo!ブログで、 動物図鑑やってます。
ここを、クリック!!  目標 1000種類
只今、   4種類

コアラ
追加しました
画像クリックで、覗いて見て下さい。
ブログランキング参加中
クリックして頂けると、操作意欲が燃え上がります。
にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ 人気ブログランキングへ
ご訪問された際は、ぜひクリックしてやってくださいませ。
最新記事  
最新コメント
ご訪問者様
Yahoo!ショッピング
◆2950円以上で送料無料!
◆歯の弱った猫や高齢猫も食べやすい!
Yahoo!ショッピング
今までの避難リュックセットHRS15に保存水と災害備蓄用パンが追加になった、災害時に役立つ避難グッズです。
MicroAd
RSSリンクの表示
あし@
QRコード
携帯でも、お楽しみください。
QR
メニューバナー
からくり童子 風のジード 通常版 目次一覧  機巧童子 風のジード 修正版 目次一覧  からくり童子 ライブ・ジェム 編集版 目次一覧
ブログ紹介
☆わんちゃん 犬里親募集ブログ!
犬里親募集・迷子犬捜索募集
このブログは、 犬の里親になりたい人の為のブログです。 犬の迷子捜しもしています。 犬のお役立ち情報なんかも あわせて紹介していきます。
カテゴリ
フリーエリア
Twitterボタン
Twitterブログパーツ by 無料ブログパーツ
[PR]クーバル                 「おきてがみ」FC2の方も押して頂けると、ありがたいです。 blogram投票ボタン
おすすめサイト(バナー有)
 駄文同盟.com   駄文同盟.com[全創作系個人サイト検索エンジン]様 ネコも歩けばくたびれる   犬塩さびき様 五黄猫国往来記   のくにぴゆう様 小説ブログ「DOOR」   lime様 三流自作小説劇場    ヒロハル様 黄輪雑貨本店 新館  黄輪様 屋根裏夜警団   有村司様
おすすめサイト
ブロとも申請フォーム
ブロともの皆さん
最新トラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。