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第27回 第4章 フィズリーの種 その2

気がつくと辺りには、おいしい臭いが広がっていた。

「フィズ、食事にしようか」

ゼファーは、花の写真を夢中で見ているフィズリーの耳に、口を寄せてささやいた。

フィズリーは植物図鑑から目を離し、テーブルの上を覗くと、そこにはゼファー特製の料理がずらりと並んでいる。

ベーコンキッシュにトマトのファルシ、ポトフや鶏肉のスープもある。

ゼファーはフィズリーが好むものなら何でも作る。

かわいい孫だから。

食卓の中央には、ランプにろうそくが灯されている。

そのローソクの光に照らされてとる食事はなんとも風情がある。

ゼファーの風車小屋では、電気を生むことが出来るのだが、日常の生活には使わない。

風車により作られた電力は、ほとんどがからくり人形の充電装置に使われている。

からくり人形は永久機関ではない。

何日かに一度、充電しなければいけない。

その間隔はからくり人形の性能の差で決まる。

今日も風車は回っている。

その振動と音は、ゼファーとフィズリーの居る住居部分まで聞こえてくる。

ヒュー・ヒュー

外では風が吹いている。

このイザーク村周辺では、薄暗くなると決まって風が吹く。

ろうそくの火が、時折ゆらゆらと揺れる。

隙間風があるらしい。

このイザーク村周辺では、薄暗くなると決まって風が吹く。

戸がカタカタと音を鳴らしている。

「なんか、風さん」

「泣いてるみたい」

フィズリーは、窓の外を眺めた。

「フィズには泣いてるように聞こえるのかい」

ゼファーはフィズリーを見て、そして窓の外を眺めた。

「風はな、わしらを守っておるのだ」

「この風と音でな、外的の侵入を防いでいるのだ」

「わしは、そう思う」

外敵の侵入。

この時代、どこの村でも起きていた。

水と食料は人間が生きる為に、いや、生命を維持する為に必要不可欠なものだ。

それを略奪する者は、やはりいる。

暗がりに乗じて襲ってくることは、良くある事なのである。

その為、多くの村々ではその防衛手段を講じていた。

だが、このイザークの村では、それがなかった。

暗くなると、決まって風が吹く。

それも、イザーク村の外周を崖に沿って。

その風は結構強い。

その為、外敵は侵入出来ない。

だが反面、村人も外には出られない。

が、これは問題ない。

夜、イザークの村から荒野に出る者などいないからである。

風が守ってる。

そう思っても当然であった。

「泣いてるよ」

「たすけてって」

フィズリーはゼファーを見つめ、何か言いたそうだった。が、

「ガラクタ山には、近づいちゃ駄目だぞ」

ゼファーが先に、口を出した。

ガラクタ山。

それは、世界崩壊前の建物の瓦礫や機械類など、今日の世界では使えない物をかき集めた、いわゆるゴミ山である。

イザークの村の住人は、みんなそう呼んでいた。

ゼファーはフィズリーを見据え、さとす様に話を続ける。

「あそこはな、人が近づくと小さな竜巻が起こるんだ」

う~ん

フィズリーはうつむいてしまった。

もう、何度も聞いた話であった。

「フィズは小さいから、吹き飛んでしまうぞ」

たしかにゼファーが言うようにガラクタ山の周りは、昼間でも風が突然発生することがある。

それは、人が近づいたときに起こる。

それも、下から上へ吹き上がる風だった。

大人でも、フワッと浮き上がる時もある。

ゼファーはフィズリーの様子を見ている。

フィズリーはこういう時、いつも同じ質問をする。

「どうして竜巻が起こるの」

そうすると、

「わからん」

と、ゼファーは言う。

これで、いつもの話は終わる。

が、今日は違った。

フィズリーはゼファーに訴えるようにして言う。

「風さん、たすけてって泣いてるよ」

フィズリーはまじまじと見ている。

「助けてと言われてもなあ」

「どうやって風を助けるんだ」

「………」

ゼファーにそう言われたフィズリーは、下を向いて口を閉ざしてしまった。



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Comment
LandMさん
ゼファーはフィズリーのことを本当に愛しく思っています。
それで過剰に、好きなものを与え、少しでも危険なものは前もって注意したり。
そのせべてが良いとは思わないのですが、まだ幼い孫ですからね。

このページは、同じ事を何度も書いていて読みづらい。
編集しなければ。
皆さんゴメンナサイ。
この改修は、機巧童子のほうで行います。
私は病院で仕事をしたこともあるのですが、そこの院長はすべてのオペを自分でしないと気がすまない性格で、ほぼ9割近く院長が手術をやっている病院でした。「俺は医者だ。」と何度も何度も自分に言い聞かせて、命のかかった何度も何度も手術していました。それと同じなんでしょうね。
ぴゅうさん
夜、風が吹いて、外界と遮断されるわけです。
その為、盗賊やモンスターの襲来が防がれているのです。
まあ、このイザークの村だけですけどね。
人が近づかないように吹く風。
曰くありげ。
そして夜は外にでない。
理由はわからないけど頑なに教えを守っている。
守っていくことで守られているんだね。
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