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第7話 始まりの刻 第45回 月の鼓動 後編

「ジードは動き出しただけ、まだ力のありようも知りません。

風の系統として、それがわかります。

私にジードを破壊させてください」

風の眷属であるザジは主であるジードを破壊しようというのだ。

「倒す自身はあるのか」

ギウザはザジを睨み付けるかのようにして言う。信用はしていない。

ザジとジードは同じ風のエレメントを持つ、いわば兄弟のようなものだ。

今は敵対しているかのような状態を取っているが、いつ、裏切ってジードの側に付くかわからない。

同じエレメントは、結びつきが強いのである。

そういえば、発の童子ケイと名乗る声が、フィズリーと兄妹であると言っていた。

種を作り出すフィズリーと、まだどんな存在かは分からぬケイとは、同じエレメントに属する者と言えるのだろうか。

フィズリーとケイは、声を立てずに会話が可能であった。

その事からすると、同じエレメントを持つザジとジードは交信出来る事になる。

ジードはまだ、本来の自分を知らない。

自分がからくりである事さえ、理解していないかもしれない。

だから、ザジはジードを認識できるが、ジードはザジを認識できない事になるのだろう。

事実フィズリーは、発の童子ケイとの交信は、ケイの誘いにより始まった。

だが、今だに自分の存在を認識していない。記憶も持たない。

その結果フィズリーには、ケイのいる場所さえ分からないのであろう。

  倒す自信! 倒す自信!! 倒す自信!!!

周りのからくり人形たちが、そろえて発声する。

その目の光が、ザジに向けられた。

暗闇の中で只1人、スポットライトを浴びている状態である。

「破壊します」

ザジは言い切った。そしてさらに言葉を続けた。

「同じエレメントを持つ者とは言え、本来はひとつのライブジェム(※注1参照)であるべき存在」

「そのライブジェムの大小で主と眷属に分けられている現状に、このザジは我慢がならない」

「1000年前ジードは、その大きいライブジェムの力を使って、世界を破滅に導いた存在」

「いわゆる、世界の敵となる存在であると考えます」

「ザジは、この世界を緑あふれる大いなる世界にしたい」

「ジードがいては、その世界さえ破壊しかねません」

この風の眷属である疾風のザジは、ジードこそが1000年前の世界崩壊を導いた
者であると言う。

そして、新たなる世界を構築するのに、ジードの存在が邪魔だとも言う。

「………」

ギウザは黙って疾風のザジの言葉を聞く。

ギウザが沈黙しているため、周りのからくり人形たちは、言葉を発しない。

だが、目線はザジに向けられている。

舞台の上で、1人スポットライトを浴びて独演しているかのようである。

その舞台の上で、疾風のザジは身振り手振りで独演を続ける。

「この世界において、力のあるものが必要とされるのではなく、力の使い方を知るものこそが必要とされているのです」

「その点においては、このザジ、ジードより、はるかに優れた存在であるのです」

「本来、私こそが風のエレメントの頂点に立つべき存在」

「それを、ライブジェムの大きさで決めるなどと、私には、私には」

ザジの話がくどくなっていた。

「…………」

ギウザはさらに沈黙を続ける。

倒しに行くなら、行ってこいという思いである。

ここで、眷属のからくりについて語ろう。

以前、こう語った。
この世には、フィズリーのようなからくり人形が、三十六体あると伝えられている。

また、それに準ずるからくり人形が四十八体。

そして、その頂点に至高のからくり人形が存在することも伝えられている。

全部で、八十五体。

ライブジェムと呼ばれる秘宝の大きさにより、36体.48体に分けられている。

36体はからくり童子と呼ばれ、48体はからくり小童子とよばれる。

童子と小童子との力の差は大きい。

童子は、その力を抑えるために内部構造も、小童子より複雑なものとなっている。

詳しくは、後々語る事があると思う。

その小童子を眷属という。

同じ能力があるが、その力は弱いという事だ。

そう説明している間にも、疾風の小童子ザジの独演は続いていた。

「このザジが、きっとジードを倒して見せましょう」

「そして、ジードのライブジェムを奪い、私の…」

ここで、我慢の限界を超えたのであろう。

ギウザは声を大にして叫んだ。

「行くなら、早く行け!!」

  早く行け! 早く行け!! 早く行け!!!

ギウザの発声に呼応して、からくり人形たちが一斉に声を発した。

人形達の目線が宙に向いている。光が縦横無尽に飛び交っている。

暗闇の中に声が響き渡り、はたと気付くザジ。

「は、はい。直ぐに」

ザジは慌てふためいて後方に走り出した。
このギウザを怒らせると恐い。

ギウザもからくり童子である。

36体の中の、からくり童子 月のギウザと呼ばれる。

「待て、お前1人では心もとない。人形達を連れて行け」

「は、はい」

疾風の小童子ザジは、周りのからくり人形を引き連れて、ジードを破壊するために向かう事となった。

「あいつ、しゃべりすぎ」

ギウザの声がただ1つ、暗闇の中に響いた。

※注1 ライブジェム:FFシリーズで出てくる、クリスタルに該当。生きる宝石の直訳。
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Comment
fateさん
さすがです、fateさん。
オムが思っていたことを、ズバリと間違いなく言われております。

ジードの過去に何があろうと、ゼファーやフィズリー、これから出会うであろう少年とジョグの接し方により、ジードはどうなっていくのか。
善になるのか悪になるのか、じっくりと育てていこうと思います。

やっぱり、ご理解されてますよ。fateさん。
うーん、意外性を講じるのも良いかも。
最後は人類絶滅?
デビルジード誕生?
その通りですね。
>からくり人形に善も悪もないという事を。
善か悪かの判断をするのは人間であると。

↑深く頷きました。
そして、「この世界において、力のあるものが必要とされるのではなく、力の使い方を知るものこそが必要とされているのです」
これも、一理あります~~

でも、力のあるモノにその使い方を教えることも必要です。
力は、求めたから得られる、ものではなくて、きっと必要だから与えられた…そんな意味合いもあると思うので。

力を持つ者の苦悩。力をコントロール出来るようになるまで、力を抱く者は、通常、必要とされない苦労を強いられる。それもまた然りです。
でも、そういう運命を選んでここに在るんでしょう。
ぴゅうさん
そうなのです。
ジードは非常に重大な存在なのであります。
思考が止まっているのについては、まだ語れませんが、おいおいです。
本当にジードの味方が存在するのかは、まだわかりません。
おいおいです。
ジードは何やら至高の存在であるようね。
何が原因で思考がストップしているのかな。
他の者は平気みたいだし。
どちらにしてもジードの味方はフィズリー達だけみたいな。

コメント&訪問ありがとうございます!
挿絵については、私は土下座して書いてもらってます・・・

文章の表記とか最近考えてみたんですけど、"ブログだからこそ出来る"文章表記にしてみようかなーとか・・・

やっぱりブログで公開するとしたら1の話を短めにしたほうがいいのかな?
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