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007 サンドワームの襲来

「ワン ワン ワン」

少年の勝利宣言に答えるかのように、ジョグが走りよってきた。

「よーし、本日の飯、ゲットだぜ!」

「ワン ワン」

モンスターは焼くと食える。
と、言うより焼かないと食えない。
まずいわけではない。
生で食するのはもちろん、煮て食べても体質変化を引き起こしてしまうのである。
尻尾にも鎧上の皮膚がある。
比較的柔らかい部位に、斧でまきを割るがごとく、少年は柳刃包丁を振り下ろした。
今日の晩飯である。
残りは今後のことを考え、干し肉にして保存しておきたい。
少年は、今までモンスターを倒すたびにそうしてきた。

「ジョグ、荷物袋を探して来い」

少年の荷物袋はアルマジロンとの戦いで、遠くに飛ばされている。
どこに飛んだかわからない。ジョグの鼻に頼らざるを得ないのだ。
ジョグは匂いを探りつつ駆け出した。
少年の荷物袋の中には、色んなものが詰め込まれてあった。
干し肉作りに欠かせない塩や粗挽き黒コショウまで。
少年はアルマジロンの尻尾をぶつ切りにし、持ち歩けるだけの肉を用意した。
そうこうする内にジョグが荷物をくわえて戻ってきた。
だいぶ走り回ったのか、息が荒い。
そりゃあ。そうである。
激しい戦いの後に荷物を探して走り回ったのだから。
当然である。
ジョグはすぐさま荷物をはなすと、

「ワン ワン ワン」

少年に向かって吠えた。

「あー悪かったよ、お前じゃないと見つけられないだろ」

「ワン!! ワン!! ワン!!!!!!!!」

ジョグはさらに強く吠えた。

「だから、悪かったての」

ジョグの吠え方は異常であった。
ジョグは周囲を警戒している。うなり声が止まらない。

「どうした、何かいるのか」

少年は周りを見渡した。
かすかに、生ごみのような匂いがする。

「くそっ!」

こちらに向かって、四方から盛り上がった砂が近づいてくる。
ものすごい速度だ。
近づくにつれ、匂いが強くなってきた。
少年はこの状況を心得ている。何度も経験していた。
少年は血相を変え、

「ジョ、ジョグ、逃げるぞ!!」

ぶつ切りにした肉を、荷物袋に投げ込む。

ザババババーーーーンンンン!!!!!

突然、砂が宙に吹き上がった。
強烈な臭いと共に、砂の中から巨大な生物が姿を現したのだ。
ミミズに大きい口をつけたような生物だ。
サンドワームである。
1000年前は小さなミミズだった。
しかし、世界崩壊の際のエネルギー波で、体質変化を起こし巨大化していた。
ミミズは動物界の食物連鎖の中では、最も低い位置にある。
つまり、小鳥や小動物に捕食されるのだ。
が、今では人間やモンスターさえ食らうほどの巨大さである。
今現在、サンドワームは動物界の食物連鎖の中では、最も高い位置にあると言って良い。

ズバババババババーーーーーーンンンンンンン!!!!!!!!!!!!!

4つの砂の盛り上がりから、サンドワームが次々顔を出した。
周囲はかなり臭い。
鼻を押さえて呼吸しても、口から匂いが入り込んでくる感じだ。
体全体から匂いを感じるほど臭いとも言えよう。
気絶しそうである。
サンドワームは体長20メートルの巨体。
20メートルの気性の荒いミミズを想像してほしい。
サンドワームは砂の中で生息していて目がない。
砂上の音や血の匂いを感じ、餌を捕食している。
サンドワームは、5匹でアルマジロンの肉片を取り合っていた。

「くそっ!血にひきつけられたかっ!!」

アルマジロンの血が染み込んだ砂ごと、食らっていくサンドワーム。
砂はサンドワームの腹に飲み込まれるのもあり、宙に舞い散るものあり、体に付着するものもあり。
5匹のサンドワームは自身の体をぶつけ合い、餌を奪い合う。
それは壮絶な戦いとも見て取れる。
だが、5匹の巨大なサンドワームの腹に、アルマジロン1匹では満たされない。
すると今度は、サンドワーム同士での食い合いになった。共食いである。
アルマジロンの血がサンドワームの体に付着していた為だ。
サンドワームには目がない、血の匂いに反応したにすぎない。
空筒砲でさえ巨大なサンドワームを倒すことは出来ない。
気絶させるのも難しい。それが五匹も姿を現している。
4つの空筒砲をフルに使っても、やはり充填が間に合わない。
とても太刀打ちできる状況ではない。
今は逃げるしかない。

「今のうちだ!!!  逃げるぞジョグ!!!!!  来-----い!!!!!」

少年とジョグは、その場から全速力で、鬼のように猛烈に走り去った。
少年とジョグが逃げ去った後、サンドワームの共食いは続く。
そしてその共食いは、さらにサンドワームを呼び寄せ、まるで地獄絵の状態であった。
サンドワームは雑食性で何でも口に入れてしまう。荒野の砂でさえも。
危険な存在ではあるが、その反面上質な糞を出す。
したがって、土壌改良には持って来いの存在だが、なにせ人間には制御できない生物である。
サンドワームの去った後の土地は、栄養度の高い土壌となり、いつしか植物が生え、森へと変わっていく。
しかしそれは、不思議な現象と捉えている。
自然に植物が生えることは、この時代において不可能とされることであるのだ。


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Comment
いらっしゃい、ラナフェリアさん。
サンドワームは何でも飲み込んでしまう。
今のところ、少年に倒すすべはありません。
が、倒しようはあるのです。
しかし凶暴なサンドワームでも、倒したくはないのです。
だって、荒れた土地を栄養あふれる土壌に変えてくれるモンスターですから。
元がミミズだけに。
自然については、地域で大分違っている設定にしてあります。
大気やもろもろ、安定してないですよ。この世界は。
オムの頭の中も安定してないから、どうなるか判らないけど。
過度の期待はオムが滅んでしまうので、ご容赦を。(笑)
こんにちは。

一難去ってまた一難、と思いきや、少年も無謀なことはせずに撤退を選びましたね。

モンスターが闊歩するような世界だと、やはり食物連鎖は重要ですよね。

しかし、サンドワームの凶暴性は恐ろしい。

自然のくだりはもう少し読み進めるとわかりそうですね。
期待してます。
有村司さん
そうですか。
擬音が特撮。
全然意識してませんでしたが、頭の奥底に住み着いちゃってるのでしょうか。

急いで魔破羅を仕上げますので、その時はよろしくお願いいたします。
宇宙の話から始まるので、難しくって。
こんにちは!

ここまで読み終わりました。
何の為に戦っているのか…謎だったのですが、「食料の確保」のためだったんですね!この世界の過酷な状況が、一気にすとん!と腑に落ちました。
所々に挿入される擬音が、まさに特撮!という感じで小気味良かったです。

次何か拝読するのにお勧めがありましたら、お教え下さいませ^^
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